JRA「川田将雅VSルメール」頂上決戦! スプリンターズSのダノン&タワー「2強」を徹底比較!
■厩舎
ダノンスマッシュの安田厩舎は、短距離王ロードカナロアを管理した厩舎で、ロードカナロア以外にもカレンチャンやダッシャーゴーゴーなどで短距離重賞を多く勝利している。厩舎の通算重賞勝利44勝の内、芝1200mでの重賞勝利はなんと19勝と半数近くを占めており、短距離分野においてその実績は抜きんでている。スプリンターズSを3勝するなど中山遠征での実績も十分で、何も不安はない。
タワーオブロンドンの藤沢和雄厩舎は、言わずと知れた関東の名門。ただ芝1200mでの重賞勝利は全119勝の内6勝と少なく、過去5年ではタワーオブロンドンのセントウルSのみとなっている。加えて芝1200mのG1レースの勝利は、1997年のタイキシャトルまで遡らなければならない。つまり近年1200mの実績は安田厩舎に劣り、この点はマイナス要素の一つといっていいだろう。
・安田隆行
中山芝成績 [1.1.0.4] 勝率16.7%・連対率33.3%
芝1200m成績 [9.5.3.24] 勝率20.9%・連対率32.6%
川田将雅 [4.3.3.1] 勝率33.3%・連対率58.3%
・藤沢和雄
中山芝成績 [6.6.4.15] 勝率19.4%・連対率38.7%
芝1200m成績 [4.5.1.3] 勝率30.8%・連対率69.2%
ルメール [19.19.5.35] 勝率24.4%・連対率48.7%
○ダノンスマッシュ
×タワーオブロンドン
双方とも一流の厩舎であり、厩舎力の比較は微差の範囲。しかし芝1200mという分野での実績は、やはり安田厩舎が大きくリード。その経験やノウハウがここに活きるのは間違いなく、安田厩舎を上に取りたい。
■実績、持ち時計
・1200mでの実績
ダノンスマッシュ =4.1.0.1
タワーオブロンドン=1.1.1.0
・1200mのベストタイム
ダノンスマッシュ =1分7秒5
タワーオブロンドン=1分6秒7(コースレコード)
・過去の最速上がり
ダノンスマッシュ =33秒6
タワーオブロンドン=32秒4
・中山コース実績
ダノンスマッシュ =未経験
タワーオブロンドン=未経験
・重賞実績
ダノンスマッシュ =3勝(G3 3勝)
タワーオブロンドン=4勝(G2 3勝・G3 1勝)
×ダノンスマッシュ
○タワーオブロンドン
この比較からはタワーオブロンドンが一歩リードだ。重賞勝利数、コースレコードを記録した1200mでの持ち時計、最速上がりタイムなどでダノンスマッシュを上回っている。なお、ともにトリッキーな中山コースが未経験というのは大きなポイント。似たような阪神コースでの経験でもタワーオブロンドンがリードしており、これは覚えておいて損はなさそうだ。
■ローテーション
ダノンスマッシュは8月のキーンランドCから直行。このレースから中5週というローテーションもゆとりがあって理想的、加えて過去10年の優勝馬に2頭いるため問題ないだろう。
タワーオブロンドンは前哨戦のセントウルSからスプリンターズSを目指すが、このローテーションは過去10年でもっとも優勝馬が多く、データ的には有利。しかし同馬にとってこの中2週は決して楽ではあるまい。夏の間に北海道で2戦しているので、6月以降3戦を消化したうえでのレースとなるからだ。過去10年の優勝馬で、夏の間(6~9月)に3走した馬はいないのだから、見えない疲労が懸念される。
○ダノンスマッシュ
×タワーオブロンドン