JRA・C.ルメール凱旋門賞「勝てたら引退します」宣言!? 13年越しの思い、底知れない天皇賞馬フィエールマンに自信
フランスのトップジョッキーとして数多くのG1を制したルメール騎手だが、凱旋門賞はこれまで2着が4回。あと一歩で涙を呑む結果が続いている。特に忘れられないのが、プライドと挑んだ2006年の凱旋門賞だ。
牝馬ながら、サンクルー大賞や英チャンピオンSなど超一線級の牡馬相手にG1・3勝を上げたプライド。2006年の凱旋門賞といえば、日本のディープインパクトが出走したレースだが、最後の直線でそのディープインパクトを交わしたのがプライドだった。
「ユタカさんの手応えが悪い。ディープが苦しんでいる。それをみた時。『勝てるかも!?』って思い、必死に追いました」
平松さとし氏のインタビューに、そう当時を振り返っているルメール騎手。しかし、勝ったのはレイルリンク。プライドはクビ差及ばなかった。
あれから早くも13年の時が流れ、ディープインパクトは今年7月に17歳で他界した。2005年の有馬記念(G1、ハーツクライ)を含め、世界で唯一「ディープインパクトを2度負かした男」ルメール騎手がコンビを組むフィエールマンは、その息子に当たる。
「彼の母(リュヌドール)は、フランスの馬でコース適性がある」
母リュヌドールはイタリアのリディアテシオ賞(G1、現G2)を勝っただけでなく、フランスのサンクルーやドーヴィルで重賞勝ちがある上、ロンジャンでもヴェルメイユ賞(G1)5着などの実績がある。フィエールマンは、その血を受け継いでいるというわけだ。
「かなえたい一番の夢は、凱旋門賞を日本の馬で勝つこと。今まで勝てていないので、日本馬で勝てたら引退します」
今年7月に行われた「JRA札幌セミナー」で、そう思いを語ったルメール騎手。無論、引退は冗談だろうが、凱旋門賞への思いが並々ならぬことは間違いないだろう。今回で12度目の挑戦となるルメール騎手の冴えわたる手綱さばきは、熟練味を増す一方だ。いよいよ、機は熟したか。