JRA「世界的良血」無敗のサトノダムゼルが秋華賞(G1)をかき乱す!? ただならぬポテンシャルが……
13日(日)、京都競馬場で開催される秋華賞(G1)。ここで穴馬として人気を集めそうな1頭が、サトノダムゼル(牝3歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。
サトノダムゼルは父ディープインパクト、母ダリシア、母父はAcatenangoという血統。半兄にはケンタッキーダービー馬アニマルキングダム、全兄にはJRAで5勝をあげているサトノキングダムらがいる。
期待の良血馬だったが、体質が弱く、デビューは3歳までずれ込んだ。だが初戦の東京競馬場・3歳未勝利(芝1800m)を出遅れながらも勝つと、新潟競馬場で開催された3歳以上1勝クラス(芝1800m)も勝利。好位追走から上がり最速33秒7の末脚を繰り出し、2着に2馬身差をつけ、古馬を一蹴してみせた。
前走の中山競馬場・白井特別(2勝クラス・芝1800m)では、抜群のスタートから逃げ馬を見る形で2番手につける。最後の直線では上がってきたロフティフレーズとの一騎打ち。一度はロフティフレーズに抜け出されるも、そこから盛り返して、トップでゴール板を駆け抜けた。
「3戦3勝と無敗で秋華賞まで進み、夏の上がり馬として注目されているサトノダムゼル。これまで秋華賞では13年のスマートレイアー、昨年のミッキーチャームが条件戦を経て出走し、ともに2着と好走しています。同馬にも期待がかかるのは当然です。また今週末は悪天候だと予想されていますが、サトノダムゼルは3戦中2戦が重馬場で行われ、いずれも勝利を収めています。道悪を物ともしない点も心強いですね」(競馬記者)
秋華賞に向けて行われた共同記者会見には、上原調教助手が登場。「前走からの馬体の回復もスムーズで、昨日の時点で馬体重も前走の前よりも増えていて、毛ヅヤも良化しています」と好調をアピール。そして2走前から手綱を握るM.デムーロ騎手の騎乗が「心強い」と語り、「自在性の高さを生かして、良いポジション取りをしてほしい」と明かした。
「陣営としては古馬相手にも苦戦することなく、無敗で進んだこともあり、サトノダムゼルのポテンシャルには相当な自信を持っているようです。最終は美浦のWコースで、馬なりで4F53秒6、ラストは12秒5を記録するなど状態も良さそうです。鞍上のデムーロ騎手も前走後、開口一番に『凄い馬です』と明かし、『最後の坂でも伸びてまだまだ余裕がありました』と同馬の能力を評価しているようです。
しかし実はデムーロ騎手にはサトノダムゼルのほかにオークス馬のラヴズオンリーユー、上がり馬エスポワールらにも騎乗する可能性があったんです。ところが、ラヴズオンリーユーが爪の不安で回避を発表。そのため、デムーロ騎手はエスポワールへの騎乗を熱望するも、ときすでに遅く、すでに陣営はA.シュタルケ騎手での挑戦が決定済み。そのため、デムーロ騎手はサトノダムゼルで挑むことになったという経緯があるみたいですね。デムーロ騎手にとっては、複雑な感情があるでしょうが、災い転じて福となす結果になってもらいたいです」(競馬誌ライター)
上がり馬の激走に期待したい。