「タイトルを取らせてあげたい」阪神セントウルS(G2)に過去10年1番人気全滅のデータ「坂路の皇帝」ネロが打倒ビッグアーサーへ2週連続の一番時計!
そもそもこのセントウルS(G2)が、別定戦のG2にもかかわらず波乱含みのレース。過去10年で1番人気が勝利したのが中京開催だった1度しかなく、阪神開催に限定すれば「全滅」という有り様だ。
そして、その中には当然ながら2014年のハクサンムーン、13年と12年のロードカナロア、09年のスリープレスナイト、08年のスズカフェニックス、07年のキンシャサノキセキと「G1級」の敗戦も含まれている。
つまりこれは新スプリント王で、1番人気が濃厚のビッグアーサーも例外ではないということだ。
そして、そういった強豪を負かしたのが、ネロのような夏の勢いをそのまま持ち込んできた伏兵たちである。前走のアイビスサマーダッシュ(G3)では、得意の千直コースでそのスピードを存分に発揮したが、”千直女王”ベルカントにアタマ差だけ屈した。しかし、後続には完勝しており、悲願の重賞制覇もあと一歩のところまで来ている。
カギを握るのは1200mへの対応となるが、陣営は「精神面で成長し、レースでコントロールできるようになりました。(今なら)距離は1200mでも全く問題ない。同じような坂のある中山で2勝しているし、開幕週の馬場も合っていると思う」とあくまで強気。
「この後はスプリンターズS(G1)も視野に入っているので、何とか次につながるレースをしてほしいし、この馬にタイトルを取らせてあげたい」
2006年に栗東坂路レコードを記録した”前王者”ジョイフルハートは、後に重賞を制して調教の動きがレースに繋がることを自らで証明して見せた。”現王者”ネロがここでビッグアーサーら退ければ、短距離界の頂点が見えてくる。
「坂路の皇帝」の威信を懸けた、注目の一戦になりそうだ。