【夏季特別企画】史上最強世代・最後の一冠『菊花賞の行方を占う』Vol.10「野分特別を4馬身差圧勝!ノガロは『伝説の新馬戦』を演じた菊花賞馬の奇跡を再び起こせるか」

 今から7年前、2009年の野分特別を、やはり4馬身差で圧勝した馬がいた。そのわずか1カ月後、8番人気の低評価を覆して菊の大輪を咲かせることになるスリーロールスだ。

 1着が皐月賞馬アンライバルド、2着が日本ダービー2着のリーチザクラウン、3着が6冠牝馬ブエナビスタという「悲惨」としか言いようのない新馬戦で4着だったスリーロールスだが、この馬が菊花賞を制したことによって、この新馬戦は競馬ファンの間で『伝説』になった。

 実はノガロもまたスリーロールスほどではないが、デビュー戦で1着が『BIG5』の一角エアスピネル、3着がシンザン記念を勝ったロジクライというなかなか悲惨なデビュー戦で、やはりスリーロールスと同じように4着に敗れている。

「ノガロの父はキングカメハメハということで、決して淀の3000mがベストというタイプではありませんが、母は3歳秋の秋華賞で2着したムードインディゴ。この時期に力を付けてくる血統ですし、母の父ダンスインザダークは何かと共通項のあるスリーロールスの父でもあり、5頭の菊花賞連対馬を輩出した名ステイヤー。上手くはまれば、本番でも面白い存在になりそうです」(競馬記者)

 さすがに現段階で2009年の菊花賞馬と比較するのは酷かもしれないが、スリーロールスとて春までのオープン実績では毎日杯8着がやっとの存在だった。そこからひと夏で急激に力を付けて、秋初戦の野分特別を4馬身差で勝利。その勢いで最後の一冠をもぎ取ったのだ。

それと比較しても、ノガロは春の時点で若葉Sときさらぎ賞で4着。オープン実績では優位に立っており、こちらも野分特別を4馬身差で圧勝している。おそらく抽選を突破する必要がありそうだが、ひと夏の成長を糧に最後の一冠で見せ場を作ってもおかしくはない。

 ちなみにスリーロールスは菊花賞を勝ったものの、その年の有馬記念(G1)で左前浅屈腱不全断裂を発症して競争を中止して、そのまま引退。主戦の浜中俊騎手は号泣したそうだ。

 ノガロがスリーロールスの域まで登りつめられるかはまだわからないが、少なくとも無念の引退を強いられた”先人”の分まで、長く健やかに走って欲しいものだ。

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