JRA「使い過ぎ?」ファンタジスト突然死……「寝ようとした」予兆もあった?
なんとも痛ましい事件が起こってしまった。
24日(日)に京都競馬場で開催された京阪杯(G3)。このレースに出走していたファンタジスト(牡3歳、栗東・梅田智之厩舎)が3コーナーで急性心不全を発症し転倒。レース後、同馬の死亡も伝えられた。転倒した際に落馬した浜中俊騎手は、救急搬送され、左鎖骨骨折、右肩甲骨骨折、胸椎骨折の疑い、および肺挫傷の疑いがあると診断されたという。
「ファンタジストは好スタートを決め、先団につけていました。そしてコーナーを回っているさなかに、異常が発生したのか転倒しています。後続馬がいたものの、それらを巻き込まなかったのは不幸中の幸いだと思います。一歩間違えれば、複数頭が絡む大事故になっていた可能性もありました」(競馬記者)
亡くなったファンタジストは2歳時に小倉2歳S(G3)、京王杯2歳S(G2)を2連勝。早くからその素質は評価されていたが、春は皐月賞(G1)、NHKマイルC(G1)でともに13着と惨敗した。夏からスプリント戦に復帰し、初戦の北九州記念(G3)こそ14着と大敗したものの、セントウルS(G2)では古馬相手に2着と健闘。これからの活躍が期待されていた。
「ただ中1週で出走したスプリンターズS(G1)は2番手につけるも、脚が持たずに16着と殿負け。その後、なぜか陣営は経験のないダート戦のJBCスプリント(G1)に挑戦しました。ここでは5番人気に支持されましたが、序盤こそ前につけたものの、やはり無理があったのか、ズルズルと後退して10着と二桁着。秋は出走間隔も詰まり、さらにダートに出走したこともあり、迷走しているのではないかとも言われていました。
また14着に終わった北九州記念後に梅田調教師が、『パドックで寝ようとするそぶり』『ゲート裏でも砂が深いから寝ようとしていた』『“バカンスに来た”ぐらいに思っていたんとちゃうかな』などと取材で話していたんです。そのため、一部からこの時点でもなにかしらの異常があり、そして使い詰めやダート戦への出走がそれに拍車をかけたのではないかとの疑惑の声もあがっています。ただ、それもあくまで結果論ですから……」(競馬誌ライター)
今回の事故でなによりも心を痛めているのはファンタジストの陣営だろう。ファンタジストの冥福と浜中騎手の早期復帰を祈りたい。