武豊JRA「超高速馬場」を称賛! ジャパンC(G1)史上初の外国馬出走ゼロも「馬場に文句はない」理由
「硬いんだろうな、と思って入ってみたらそうじゃない。ほどよくクッションが効いて、とにかく走りやすい。馬が走りやすいと感じるから速い時計が出るわけで、馬場に文句はありません」
一昔前は競走馬の故障の一因として、馬場の硬さが挙げられていた。その因果関係を今さら議論するつもりはないが、少なくとも今の日本の馬場が「クッションが効いて、走りやすい」ということは武豊騎手だけでなく、多くの騎手が口を揃えている。
実際に全体の故障率も低下しており、改善傾向にあるのは確かなのだろう。(無論、ケアを始めとした調教や医療技術が発展した背景もある)
その上で武豊騎手が「馬が走りやすいと感じるから速い時計が出る」というのも、まさにその通りだ。つまり、今の日本の馬場は、競走馬にとって極めて理想的なものだといえる。JRAの馬場造園家による長年の努力の賜物であり、記事中でC.スミヨン騎手が賞賛するのも当然だろう。
だが、今の日本の馬場が競走馬にとって極めて理想的なものであることと、ジャパンCに外国馬が来なくなった理由は、まったくの別問題だ。
年間開催を維持するため「完璧な管理と、競走馬にとって理想的な馬場」が日本。そしてオフシーズンを設け「自然と調和しながら競馬を開催する」欧州。どちらが良い悪いといった問題ではなく、目指している方針が異なることが、海外の競馬関係者が日本を敬遠するようになった理由だ。
それを如実に表しているのが、ジャパンCの世界レコードを始めとした超高速の「走破タイム」であり、ジャパンCに外国馬が来なくなったわかりやすい指標ではないだろうか。