JRA「G1 3年連続2着」有馬記念クロコスミア 大一番に強い牝馬が波乱を巻き起こす!?
G1馬11頭が登録し、豪華メンバーであることでファンから熱い視線を浴びている今年の有馬記念(G1)。
22日(日)が迫ってくるにつれて、ファンだけでなく大レースだけを買う一般の人々の注目度もヒートアップしつつある。
一番の注目は「最強牝馬」アーモンドアイと、その前に立ちはだかるリスグラシューの対決の構図だ。
しかし、有馬記念は一筋縄ではいかないレースである。過去10年で1番人気・2番人気で順当に決まったのは3回だけ。逆に4番人気以下が8連対するなど、人気馬が人気通りに来るケースの方が少ないと言える。
となると、G1馬11頭以外の伏兵の台頭が十分あり得る。このレースで引退を表明しているクロコスミア(牝6、栗東・西浦勝一厩舎)は、そんな伏兵候補の1頭だ。
今年は中山牝馬S(G3)から始動。続く阪神牝馬S(G2)と凡走するも、ヴィクトリアマイル(G1)では11番人気の人気薄を撥ね除けて3着に好走してみせる。
夏は札幌記念(G2)に出走するが7着。秋は府中牝馬S(G2)に駒を進めて5着と掲示板を確保する。そしてエリザベス女王杯(G1)に出走。ここでも7番人気と人気を落としていたが2着に入り、3年連続2着という結果を残して有馬記念へ挑む。
クロコスミアは「逃げ」のイメージが強く、前走のエリザベス女王杯でも逃げ粘って2着を確保しているが、実は逃げ一辺倒の馬ではなく先行策も使える馬だ。現に、ヴィクトリアマイルの3着は終始5番手を進んでのものだ。
西浦勝一調教師も1週前追い切りを終えたあとのコメントで「使いながら息づかいが良くなって、状態は上がってきている。馬に活気があるね。ハナにはこだわらず自分のペースで走れれば」と言っているように、逃げにこだわっているわけではない。
今回の有馬記念はアエロリットとキセキという同型馬が2頭いる。ハナにこだわって先行争いをすると共倒れになる可能性が高い。その点、ハナにこだわらず前を見る競馬になればクロコスミアに有利な展開になってくる。
クロコスミアは珍しい傾向がある馬で、大舞台に偏って好走してきた。G1だけで見ると2歳時の阪神JFと3歳時の秋華賞を除くと2着3回、3着1回と大舞台だけに偏って好走している。
キャリアの中で有馬記念は初参戦となるが、エリザベス女王杯に続く大舞台。G2戦やG3戦では凡走もしてきたが、大舞台に秀でたクロコスミアだけに、波乱を呼ぶ可能性は十分ある。