JRAポスト・ディープインパクト争い エピファVSキズナ 種牡馬になっても因縁の対決は続く

キズナ 競馬つらつらより

 昨年、種牡馬として一時代を築いたディープインパクトキングカメハメハが相次いで死亡した。リーディングサイアー1位と2位を立て続けに失ったことで、次代のニュースターとして大きな注目を浴びているのが、昨年初年度産駒がデビューしたエピファネイアとキズナの2頭である。

 先日行われた京成杯でも7番人気の伏兵クリスタルブラック(父キズナ)が、圧倒的支持を受けたスカイグルーヴ(父エピファネイア)をゴール前で交わして優勝。奇しくも2頭の1/2馬身差がダービーでキズナがエピファネイアを交わしたときと同じだったことで競馬ファンは大きな盛り上がりを見せた。

 エピファネイア産駒はここまで107頭が出走し、31頭が勝ち上がり、勝ち馬率は29%。対するキズナは130頭が出走し、30頭が勝ち上がり、勝ち馬率は23.1%。(2020年1月19日現在)

 勝ち馬率はエピファネイアがキズナを上回り、表面上は優位に見えるが、重賞勝ち馬となると、重賞未勝利のエピファネイアに対してビアンフェで函館2歳S(G3)、クリスタルブラックで京成杯(G3)とすでに2勝を挙げているキズナが一歩リードしている。

 キズナ産駒で特筆すべきは、仕上がりの早さを要求される2歳の函館戦で芝1200mのスプリントに対応した順応性と、京成杯でクリスタルブラックが見せたような強烈な末脚。種牡馬として大きな可能性を感じる内容だった。

 かといってエピファネイアも京成杯でスカイグルーヴが敗れたとはいえ、騎乗したC.ルメール騎手が「見えないところから急に勝ち馬に来られてしまいました。経験を積んでいけば良くなると思います」とコメントしたように今後の伸びしろは十分に予感できる内容だったといえる。

 また、エピファネイアは皐月賞(G1)をロゴタイプの2着、日本ダービー(G1)をキズナの2着と惜敗。最後の一冠となった菊花賞(G1)を5馬身差で圧勝。古馬となった翌年のジャパンC(G1)ではC.スミヨン騎手を背に、ドバイデューティフリー(現ドバイターフ、G1)を勝ってレーティング130のジャスタウェイを4馬身突き放した。

 これらを考慮するとエピファネイア産駒はどちらかというと晩成型、父が菊花賞を制したように中長距離に適性が高く、真価を発揮するのは古馬になってから。対するキズナ産駒は仕上がりの早さとスピードに秀で、比較的早い時期から走り、距離も中距離くらいまでは融通が利きそうだ。

 現役時代、デッドヒートを繰り広げてきた2頭のライバル関係は、種牡馬となったこれからもまだまだ目が離せない。

◆現役時代のエピファネイアとキズナの直接対決
12年ラジオNIKKEI杯(G3)   エピファネイア1着、キズナ3着
13年弥生賞(G2)       エピファネイア4着、キズナ5着
13年日本ダービー(G1)    キズナ1着、エピファネイア2着
14年大阪杯(G2)       キズナ1着、エピファネイア3着

注:14年当時の大阪杯はG1昇格前でG2

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