JRA タワーオブロンドン「ゴドルフィン×藤沢」最強タッグで英・G1も視野

 昨年のスプリンターズSを勝ったタワーオブロンドン(牡5、美浦・藤沢和雄厩舎)の春のローテーションが、3月7日中山のオーシャンS(G3)から3月29日中京の高松宮記念(G1)を予定していることが明らかになった。

 管理する藤沢和雄調教師によると「その後はイギリスに行きたい。ロイヤルアスコットかジュライCを考えていてダーレーの社長に相談しようと思っている」とのこと。

 G1ホースの称号を手に入れたタワーオブロンドンについて、オーナーサイドのゴドルフィンからは「海外も視野に入れて今後の路線を考える」という話が出た様子だ。

 タワーオブロンドンには2018年のNHKマイルC(G1)出走の際、結果次第ではイギリス・ロイヤルアスコットのセントジェームズパレスS(G1)への参戦も計画されていたが、NHKマイルCを12着と敗れたことにより、白紙になった過去がある。

 一度は潰えた夢だったが、スプリンターズSの勝利で機が熟したということだろう。

 また、藤沢師の海外挑戦といえば、競馬ファンならすぐに思い浮かぶのはタイキシャトルではないだろうか。同馬は97年にG1初挑戦となるマイルCS(G1)を制すると、続くスプリンターズS(G1)も勝利して一気に短距離界の頂点を極めた。

 翌98年には春の安田記念(G1)を勝つと、陣営はフランスのマイル路線の最高峰といわれるジャック・ル・マロワ賞(G1)への挑戦を発表。欧州の重馬場というコンディションながら、危なげないレースで勝利した。

 2005年にも、前年に天皇賞・秋(G1)、ジャパンC(G1)、有馬記念(G1)を勝ち「秋古馬三冠」を達成したゼンノロブロイで、英・インターナショナルS(G1)をエレクトロキューショニストの2着と健闘したのは15年近く前の話となる。

 師自身もイギリスへ渡り、名門厩舎のギャビン・プリチャード・ゴードン厩舎のもとで厩務員として4年間働いていたこともあって競馬界でも国際派として知られている。これまでの遠征にも海外で培ったノウハウは活かされたに違いない。

 ましてやタワーオブロンドンの馬主は国際G1を席巻しているモハメド殿下のゴドルフィン。同じくゴドルフィンの先輩ファインニードル(高松宮記念、スプリンターズS)がチェアマンズスプリントプライズ(G1)、香港スプリント(G1)に挑戦していることからも至極当然の成り行きかもしれない。

 タワーオブロンドンはレイヴンズパス×スノーパイン(父ダラカニ)という欧州向きの血統で適性は十分。名前にロンドンが入っているからイギリスが選ばれたかどうかはわからないが、好走する可能性はかなり高いのではないか。

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