JRA根岸S(G3)モズアスコット「衝撃の新星」初ダートも難なくクリアでフェブラリーS制覇に手応え十分
2日に開催された第34回根岸S(G3)は、連覇を狙う昨年の勝ち馬コパノキッキング、近走地力強化が著しいミッキーワイルド、それ以外にもワイドファラオ、ワンダーリーデル、ダノンフェイスなど多彩な顔触れが揃った。
23日に行われるフェブラリーS(G1)を占う意味でも注目のレースとなったが、勝ったのは芝G1・安田記念馬の初ダート挑戦が注目されたモズアスコット。
レースはコパノキッキングが好スタートからハナに立つ勢いだったが、外枠からドリームキラリが譲らずに主張。これを先に行かせてコパノは2番手を追走、前半3Fは35.0と平均やや速めのラップを刻む。
ワイドファラオは4番手、そのあとにミッキーワイルド、ダノンフェイスなど有力どころが続いた。
モズアスコットはスタートで痛恨の出遅れをしたものの、C.ルメール騎手は冷静にリカバリー。中団やや後方の外目をキープしつつ、砂を被らずにポジションを上げていける位置取りを進んだ。
終始楽な手応えで直線入り口では早くも8番手まで押し上げると、残り400mからのGOサインで一気に加速、一杯に追うコパノキッキングを尻目に悠々と突き抜けた。
全体ラップ12.5-10.9-11.6-12.3-11.9-11.6-11.9と息を入れるタイミングがなく、淀みのない流れは、逃げ先行勢に厳しかったことは否めない。だが、コパノキッキングがマークされる側だったとはいえ、モズアスコットは同じ58キロを背負っていた上に出遅れる不利があっただけに、やはり完勝といえる内容だった。
レース後にC.ルメール騎手は「強かったです。今日のレースぶりなら1600mのフェブラリーSも大丈夫でしょう」と本番の手応えをコメント。
管理する矢作芳人調教師は「母方の血統や走りっぷりからダートも大丈夫と考えていました。この後はフェブラリーSへ向かいます。その先はオーストラリアのレースを考えています」と海外遠征も視野に入れていることが発表された。
モズアスコットがこのままフェブラリーSも勝利すれば、芝・ダートの両G1制覇の偉業を達成することになる。また、近年では安田記念、フェブラリーSで勝利を収めたのはアグネスデジタル以来。
陣営によるとまだまだ完調手前だったということで期待は大きくなるばかり。我々競馬ファンとしてはうれしい誤算で、楽しみが増えたといえそうだ。
◆過去にJRAダート重賞を勝利した芝G1馬
ホクトベガ(エリザベス女王杯、フェブラリーS)
クロフネ(NHKマイルC、ジャパンカップダート)
アグネスデジタル(マイルCS、安田記念、天皇賞・秋、香港C、フェブラリーS)
イーグルカフェ(NHKマイルC、ジャパンカップダート)
アドマイヤドン(朝日杯FS、フェブラリーS)
アジアエクスプレス(朝日杯FS、レパードS)
モズアスコット(安田記念、根岸S)
※世代限定戦以外の芝G1馬ではアグネスデジタルに次いで2頭目