JRAきさらぎ賞(G3)サトノゴールド「うるささ」で本格化!? 父を手掛けた「チーム・ゴールドシップ」に手応え
9日(日)のきさらぎ賞(G3)は、1勝馬同士の対戦となる。1勝馬といっても、過去に重賞で2・3着という馬もおり、重賞で馬券圏内に入った経験がある馬たちが人気の中心となりそうだ。
札幌2歳S(G3)で2着だったサトノゴールド(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)も、既に重賞で実績を残している1頭だ。
その札幌2歳S以来の実戦となるが、年明けから栗東の坂路を中心に順調に調教をこなしており、1月30日(木)と2月2日(日)にはラスト1ハロン12秒台のタイムを叩き出している。休養明けだが、力を出すことができる状態に仕上がったと考えていい。
サトノゴールドは4日(火)も坂路で調整されている。この日の調教後、同馬を担当する今浪厩務員は『スポニチ』の取材に対し、「放牧に出してうるさくなって帰ってきた。でもゴールドシップに比べればマシだよ」と答えている。この今浪厩務員はサトノゴールドの父ゴールドシップも担当していた。
サトノゴールドが2着に入った札幌2歳Sは、種牡馬としてのゴールドシップに注目が集まったレースだった。サトノゴールドに1馬身1/4差をつけて勝利したブラックホールもゴールドシップ産駒なのである。新種牡馬の初年度産駒がいきなり2歳馬の重賞でワンツーを決めたのだから、話題にならないはずがない。
だが、ゴールドシップ産駒にはこんなデータもある。
これまでJRAでゴールドシップ産駒が挙げた勝ち星は13だが、2勝目を挙げた馬はブラックホール1頭だけ。サトノゴールドも含め、他のゴールドシップ産駒はまだ2勝目に手が届いていない。ブラックホールも札幌2歳Sを勝った後は年末のホープフルS(G1)に参戦して9着に敗れており、まだ3勝目を挙げることができていない。
なかなか2勝目を挙げることができないゴールドシップ産駒だが、その理由はサトノゴールドが函館の新馬戦を勝った際、手綱を取った武豊騎手がレース後に残した「素質だけで勝った。真面目に走ったのは最後の1ハロンだけで、いかにもゴールドシップ産駒という感じだった」というコメントに尽きるのではないだろうか。
今浪厩務員の「放牧に出してうるさくなって帰ってきた」というコメントからも、父親と同様に気性難が課題となる馬たちが多い印象だ。
この新馬戦を観戦した記者も「ゴールドシップのいい所も、悪い所も全て遺伝したような馬だね。同じ須貝尚介厩舎が父親で得た経験をサトノゴールドにどう活かすのか、とても興味深いよ」と語る。
ゴールドシップはそんな気性難を抱えながらも、3歳時には共同通信杯(G3)、皐月賞(G1)、神戸新聞杯(G2)、菊花賞(G1)、有馬記念(G1)を勝利している。そんな父と同じ芦毛で、管理厩舎も同じサトノゴールドはきさらぎ賞でどんな走りを見せるのか? その後も含めて注目したい1頭である。