JRA共同通信杯(G3)3着フィリオアレグロ重馬場は「苦手」!? 兄サトノクラウンは重馬場「大得意」だが……
16日に3歳重賞・共同通信杯(G3)が「稍重」で行われた。レースは直線で先に抜け出したダーリントンホールとビターエンダーの2頭による壮絶な叩き合いとなった。結果、ハナ差でダーリントンホールに軍配が上がった。
注目の良血馬・フィリオアレグロ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)は0.7秒遅れて3着でのゴールとなった。1、2着馬には大きく離され、もう1頭の注目馬マイラプソディをアタマ差しのぐのがやっとだった。
レース後、鞍上のM.デムーロ騎手は「4コーナーまではいい感じでしたが、直線での反応がもうひとつでした。『馬場』なのかもしれません」とコメントしている。
フィリオアレグロは父ディープインパクト、母ジョコンダIIという血統。半兄にはG1・2勝を挙げた『Mr.重馬場』サトノクラウン(父・Marju)がいる。
サトノクラウンといえば、16年は重馬場、17年は稍重の京都記念(G2)を連覇、17年稍重の宝塚記念(G1)を制している。またファンの記憶に残っている「歴史的不良馬場」の天皇賞・秋(G1)で、キタサンブラックと激闘と繰り広げ2着としている。
兄は「馬場が渋れれば」という存在だっただけに、弟の「稍重が堪えた」というのには疑問が上がるかもしれない。敗戦の弁に「新馬戦は重馬場で勝ったのに」と突っ込みたくなるが、デムーロ騎手はサトノクラウンが制した京都記念、宝塚記念、2着の天皇賞・秋で騎乗している。兄の背中を知るジョッキーが言っているだけに、信憑性が増してしまう。
「ディープインパクトが昨年他界し、後継種牡馬争いにより注目が集まっている。フィリオアレグロはサトノクラウンの半弟のため、重い馬場もこなせると後継種牡馬として価値が高いと期待されていた。それだけに、今回の敗戦は残念ですね」(競馬記者)
サトノクラウンの父「Marju」はイギリス調教馬で、欧州の重い芝でG1を勝っており、産駒も欧州を中心に活躍している。対して、フィリオアレグロの父「ディープインパクト」の産駒は軽い馬場が好走傾向にあり、重い馬場を苦手としている。
だが、フィリオアレグロはキャリア2戦のため、実力はまだまだ未知数である。馬場が渋るとだめかもしれないが、良馬場で驚異の実力を発揮するかもしれない。今後の成長・活躍もさることながら、次走の馬場状態にも注目したい。