JRA藤田菜七子「一刻も早く復帰したい」武豊「相当悔しいはず」も東京スプリント「キッキングと再コンビ」可能性十分!
鎖骨骨折で療養中の藤田菜七子騎手(美浦・根本康広厩舎所属)だが、早ければコパノキッキングと再コンビが予定されている4月8日の東京スプリント(G3)までに復帰できる可能性があるようだ。
藤田騎手は15日、小倉5Rでランサムトラップに騎乗した際に前を走る馬と接触して落馬。しばらくうずくまって動けず、救急車で搬送された。検査の結果、左鎖骨骨折と診断された。幸い命に別状はなく「意識ははっきりしています」(JRA職員)。北九州市内の病院にそのまま入院することになった
その可憐なルックスも相まってデビュー前より各種メディアで取り上げられ、2016年にデビューするやいなや、瞬く間に競馬界のアイドルに駆け上がった女性騎手である。
華やかな外見だけでなく、デビュー年から6勝、14勝、27勝、43勝と年々着実に結果を残し、昨年はカペラS(G3)をコパノキッキングでついに初重賞勝利を成し遂げたことも話題となった。
今年は2月に入ってはや7勝と例年を上回る勝ち数を重ね、リーディング争いにも顔を出すようになり、順調な滑り出しと思われた矢先で最悪のアクシデントだった。
「元騎手としての経験上、後日になって打撲や内出血など違う症状が出ることもあります。入院して様子を見させたいと思います」とは師匠の根本康広調教師。
翌16日には『週刊ギャロップ(サンケイスポーツ)』の取材によると「お世話になっているオーナーやファンの方に多大な迷惑をかけて、本当に申し訳なく思います。一刻も早く復帰したい気持ちはありますが、焦らずしっかり治してまた自分の姿を見てもらいたい」と藤田騎手は関係者を通じて談話を発表した。
28日にサウジアラビアのSTCインターナショナルJCに揃って出場を予定していた武豊騎手は「かわいそうですね。なかなかデットーリやムーアといった世界の超一流とレースで一緒に乗れる機会はないだろうから、相当悔しいはず」といたわる一方で「今は焦らずしっかり治してほしい。彼女ならまたチャンスはあるからね。頑張ってほしい」と思いやったのは、これまで過去に何度も骨折による大怪我を負った自身の経験からだろう。
ただ、今後の見通しとしては明るい材料もある。93年にウイニングチケットで悲願のダービージョッキーとなりながら、翌年の落馬による骨折で引退を余儀なくされた柴田政人元騎手は、自身の経験も踏まえて「鎖骨の骨折の場合、1か月ほどで骨がくっつき、回復が早いケースがある」と回復具合によっては早期復帰の可能性にも言及した。
また、過去に16年の12月には福永祐一騎手が3日の阪神5Rで落馬しながら、わずか20日後の23日に超速復帰したが、負傷箇所は藤田騎手と同じ鎖骨骨折だった。
一般的にアスリートである騎手は回復が早いといわれており、4月8日の東京スプリントまでまだ1カ月以上あるため、間に合う可能性は決して低くないのではないか。
待っている多くのファンのためにも藤田騎手には一刻も早く回復してもらい、また「菜七子スマイル」を見せてもらいものである。