JRA藤田菜七子に続け!フェブラリーS(G1)デビュー9年目の苦労人がG1・3勝馬と挑む!
23日に開催されるフェブラリーS(G1)は、インティの連覇、モズアスコットの芝ダートG1制覇に注目が集まっているが、今年デビュー9年目を迎える長岡禎仁騎手のG1初騎乗も話題を呼んでいる。
長岡騎手は2012年に美浦・小島茂之厩舎所属でデビュー。ルーキーイヤーは1勝にとどまったが、2016年には19勝、乗鞍も400回を超え、徐々に成績を伸ばしていった。
しかし、2017年に悲劇が長岡騎手を襲う。4月に落馬事故で負傷し、約半年間の戦線離脱を余儀なくされた。長期離脱となると、お手馬が他のジョッキーに騎乗されることになり、そのままコンビ解消となってしまう。トップジョッキーの場合、復帰後にお手馬が戻ってくるが、売り出し中の若手ジョッキーにとっては死活問題だ。
休養明け、厩舎から独立してフリーになるタイミングで「栗東への移籍」を決意。これが長岡騎手にとって大きな転機となる。
正式な栗東所属となったのは昨年5月だが、2年前から栗東に軸足を置いていた。このときから、G1馬ケイティブレイブ(牡7歳、栗東・杉山晴紀厩舎)の調教に跨っている。約2年間、調教で騎乗し続けたことが買われ、同馬とのコンビでフェブラリーS挑戦にこぎつけた。
表舞台には映らない、裏方としての日頃の努力が実を結んだ。
同期には菱田裕二騎手、中井裕二騎手、原田和真騎手がいる。同期の中でG1騎乗は一番遅れたが、G1馬とのコンビでの参戦は唯一である。プリンスリターンとのコンビで海外挑戦プランのある原田騎手にも負けてはいない。
相棒のケイティブレイブは、昨年ドバイ遠征の際に、腸捻転を発症。現地で緊急手術を受けて成功し、大事には至らずに済んだ。ともに苦難を歩んできたコンビのG1挑戦に期待したい。
昨年のフェブラリーSは、藤田菜七子騎手がコパノキッキングとのコンビで「初G1」挑戦と話題を呼んだ。同騎手はその後、初の重賞制覇を成し遂げており、飛躍の年となった。長岡騎手も続いて飛躍できるかだろうか。今年は勝負の1年になるはずだ。