JRA四位洋文「無観客引退式」で伝説「うるせーよ、おい!」ならず? 新型コロナ影響に「仕方ない」も武豊からサプライズが?
歴史的な決定で、寂しい幕切れを迎えることになってしまった。
27日、JRA(日本中央競馬会)は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため今週末29日から、当面「無観客競馬」を実施すると発表。政府からの「今後2週間はイベントの中止や延期、規模縮小」を要請する方針により、プロ野球やJリーグなどが動きを見せている中、ついに重い腰を上げた格好だ。
「状況が状況なだけに当然の対応だと思いますが、JRAとしては1954年の創設以来、初の無観客競馬。先日、香港で実施された際はレースに“本番感”がないというか、何とも言えない光景でした。
日本も毎週多くのファンが競馬場に詰めかけますし、そのすべてがいない中でレースが行われる光景は、少なくとも歴史的な1ページにはなると思います。仕方ないにしても、本当に寂しい限りです」(競馬記者)
記者曰く、JRAが年間を通じてレースを実施していること、各レースに向けて馬が調整されていることなどの現場事情からも、レース自体を延期することは難しいという。競馬場はもちろん、馬券売り上げに関しても大ダメージが確実なJRAにとっては苦肉の策といったところだ。
全国の競馬ファン・競馬関係者に衝撃が伝わる中、異例の決定により“寂しいフィナーレ”を余儀なくされたのが、今週末29日に引退・勇退が予定されている騎手や調教師だ。特に最終レース終了後に、阪神競馬場で引退式が行われる四位洋文騎手の寂しさはひとしおだ。
四位騎手も「ファンのことを考えれば仕方がない。賢明な判断じゃないですか」と事態を踏まえながらも、やはり残念そう。『netkeiba.com』の引退特集で、後輩の福永祐一騎手に「神輿作りますか?」とイジられた際「静か~に辞めたい」と笑っていたが、さすがにこの状況は不本意だろう。
「四位騎手と言えば、2008年にディープスカイで日本ダービー(G1)を勝った際、勝利騎手インタビューでの『うるせーよ、おい!』が有名です。普段は馬にも人にも紳士的な方ですが、あまりに観客の野次が酷かったので、思わず言ってしまったようですね。
競馬ファンの間では今でも笑い話ですし、ネット上などでは引退式で『四位コール』をすれば、もう1度『うるせーよ、おい!』と言ってもらえるんじゃなかと意気込む声もありました。当日、四位騎手目当てに阪神競馬場に行く予定だったファンも多いと思かったと思いますが残念です」(別の記者)
この状況をサウジアラビアに遠征中の武豊騎手も心配しており、自身の公式ホームページでは「ファンの皆さんに万感の思いを込めてのお礼を言いたかったはずなので、騎手会長としてどうにかフォローできないかとも思っているところ」と四位騎手の引退式について付言。当日は武豊騎手から、何らかのサプライズがあるかもしれない。
29日には、四位騎手の他にもJRA現役3位の869勝を誇る山内研二調教師、岡部幸雄騎手の同期として騎手・調教師で通算500勝を超える作田誠二調教師など、競馬史を彩った伯楽も引退。
ファンにとっては残念ながらテレビやラジオで応援する他なくなってしまったが、最後まで拍手を送りたい。