JRAモズアスコット史上6頭目の芝ダートのダブル王者! 過去の5頭と実績比較、将来性は?
2020年最初のJRA・G1レース・フェブラリーSを制したのは、安田記念馬モズアスコットだった。つまり同馬は芝とダートのG1レースをそれぞれ制したわけだが、これはグレード制が始まった1984年以降、史上6頭目の快挙でもある。
チャンピオンズC(旧ジャパンカップダート)が誕生したのが2000年。さらに地方交流重賞も増え、以前よりもダートのG1レースは増加したが、それでも6頭しかいないのは、やはりダートのプロフェッショナルも増えたことで、一介の芝馬が簡単には勝てないという事情もあるだろう。
実際に芝のG1レースを制し、ダートのG1レースに挑戦した馬も少なくはない。例えばタイムフライヤー、レッツゴードンキ、カレンブラックヒル、ローレルゲレイロ、エイシンプレストンなどがそうだ。そういった意味でもモズアスコットの快挙は非常に価値がある。
そこで今回はモズアスコット以前に芝ダートのG1レースを制した5頭を紹介しよう。
■クロフネ
アメリカから輸入された外国産馬だったが、まさに「黒船」の名に相応しいインパクトを残した。3歳時にNHKマイルCをレコードで勝ち、2番人気の日本ダービーは5着。しかし秋のダート初戦の武蔵野S、ジャパンカップダート(当時)もレコードで勝利した怪物。脚部不安でジャパンカップダート後に引退となったが、現役であればダートのビッグレースを総なめにしたであろう。この2戦だけでJRA賞最優秀ダートホースにも選ばれている。種牡馬となってもカレンチャンやアエロリットが芝のG1を勝ち、ホワイトフーガがJBCレディスクラシックなどを勝利、さらにアップトゥデイトが中山大障害を勝つなど多方面で活躍している。
芝G1レース
・NHKマイルC=芝1600m
ダートG1レース
・ジャパンカップダート=ダート2100m
■アグネスデジタル
レース内容でいえばクロフネに譲るが、実績で言えばこちらが上。3歳時(現2歳)にダート交流重賞の全日本3歳優駿(当時)を勝ち、翌年秋には13番人気でマイルCSをレコード勝ち。その後は南部杯を勝ち、天皇賞(秋)ではテイエムオペラオーを差し切って勝利。12月は香港カップに勝利し、翌年はフェブラリーSを勝ち、その後も1年ぶりのレースとなった安田記念をレコードで勝利と、現在では信じられないような使われ方と実績を重ねている。特に4歳秋~5歳の南部杯~天皇賞(秋)~香港カップ~フェブラリーS~安田記念のG1レース5連勝は圧巻。競走馬には様々なタイプがいるが、間違いなく今後同じような馬は出てこないと思わせる実績だ。2001年のJRA賞最優秀4歳以上牡馬でもある。種牡馬となっても、ヤマニンキングリーが父同様に芝ダートで重賞を勝つなど活躍した。
芝G1レース
・マイルCS=芝1600m
・天皇賞(秋)=芝2000m
・香港カップ=芝2000m
・安田記念=芝1600m
ダートG1レース
・MCS南部杯=ダート1600m
・フェブラリーS=ダート1600m