JRAディープインパクト国内「最後の産駒」誕生!母親はあの「おてんば娘」
27日、ディープインパクトの日本国内最後の産駒が、北海道安平町のノーザンファームで誕生した。
昨年、ディープインパクトは頸部の痛みなどから2月18日に種付けを中止しており、そのまま7月にこの世を去ってしまった。昨年の種付け頭数は24頭しかおらず、そのうち半数以上が海外所有の繁殖牝馬。ラストクロップとなる20年生まれの国内産駒は、希少な存在だ。
ディープブリランテ、キズナ、マカヒキ、ワグネリアン、ロジャーバローズと5頭のダービー馬をはじめ、数々のG1レースをディープインパクト産駒が制している。また海外では、サクソンウォリアーが英2000ギニー(G1)、スタディオブマンが仏ダービー(G1)を制し、世界中でディープインパクトの子供が活躍している。
リーディングサイヤーランキングでは、2012年に初めて首位に立ち、2019年まで8年連続トップに君臨。今年も28日現在、51勝を挙げ、2位ハーツクライに25勝差をつけ首位を独走している。まさにディープインパクトは「優等生」の大種牡馬である。
27日に国内最後の子供を産んだ母は、名牝スイープトウショウだ。
スイープトウショウは04年に秋華賞(G1)、05年に宝塚記念(G1)、エリザベス女王杯(G1)を制し、G1・3勝の実績を持つ。宝塚記念は11番人気ながらも、強敵ハーツクライ、ゼンノロブロイを破る大金星。同年、ハーツクライは有馬記念(G1)で、ディープインパクトに国内唯一の黒星をつけているだけに、スイープトウショウのポテンシャルの高さは言うまでもない。
また気性難の「問題児」だったことも有名だ。スタートで出遅れたり、馬場入りを嫌がったり、調教でも立ち止まってしまい数十分動かなかったというエピソードもある。それでも、レースでは強烈な末脚を繰り出す。やんちゃな面と強さが共存していることが、多くのファンを魅了したのだろう。
スイープトウショウとディープインパクトは現役時代に、06年の有馬記念で一度だけ対戦している。この時、スイープトウショウは初の中山コースのためか、ゲートに入るのを嫌がった。多くの観客がハラハラしながら見守り、無事ゲート入りしたときには歓声が上がるほどだった。レースは出遅れ、勝ったディープインパクトからタイム差1.0秒の10着に敗れる。
そんな「問題児」が「優等生」ディープインパクト最終産駒を出産したことに、競馬ファンの期待は高まるはず。スイープトウショウはこれまで2頭のディープインパクト産駒を輩出しているが、未だに重賞未勝利。最終産駒が両親譲りの末脚で追い込みを決められるか楽しみだ。産駒は早ければ22年のデビューとなる。