JRA石川裕紀人騎手が正念場!? 弥生賞ディープインパクト記念ブラックホールで結果を残せるか?
3月に入り、春のG1戦線に向けたステップレース、トライアルレースが本格的に行われる季節に入った。8日(日)は今年から歴史的名馬の名が刻まれるレースとなった弥生賞ディープインパクト記念(G2)が行われる。伝統の皐月賞(G1)トライアルレースである。
クラシック戦線で常に話題となるのが、若手騎手がデビューから手綱を取り続けている場合に、陣営がその若手騎手にいつまで手綱を託すのか? という点である。このレースの登録馬で言えば、ブラックホール(牡3歳、美浦・相沢郁厩舎)がそんな存在となりそうだ。
ブラックホールは昨年7月に函館の新馬戦でデビューして以来、石川裕紀人騎手が手綱を取り続けている。2戦目に同じ函館で未勝利戦を勝った際も、3戦目の札幌2歳S(G3)優勝時も石川騎手だった。そして前走のホープフルS(G1)で9着に敗れた際も石川騎手が手綱を取っている。
石川騎手は2014年のデビューで今年7年目の24歳。1日(日)終了時点でJRAでは166勝を挙げている。セダブリランテスで2017年のラジオNIKKEI賞(G3)を、エメラルファイトで昨年のスプリングS(G2)を、そしてブラックホールで札幌2歳Sを制するなど、JRAでは重賞3勝をあげている。
若手騎手の中では活躍している方かもしれない。だが、外国人騎手など、一部のリーディング上位騎手に騎乗馬が集中する昨今のJRAでは、結果を残せないレースが続くとすぐに乗り替わりになる。
その意味では、ホープフルSからの巻き返しを図る石川騎手にとって、今回結果を残すことができなければ、ブラックホールが皐月賞に出走できても、その手綱を別の騎手が握っている可能性は十分にある。
正念場を迎えている石川騎手だが、プラス材料もある。昨年はJRAで28勝を挙げているが、その半数の14勝を中山競馬場で挙げている。さらにこの28勝のうち、半数以上の17勝は1700~2000mのレースで挙げるなど、中距離でのレースを得意とする騎手でもある。今回の中山・芝2000mもピッタリの条件と言えるだろう。
今年の石川騎手はここまで3勝で全国リーディング59位。物足りない成績のようにも思えるが、地方競馬では先月の佐賀記念(G3)をナムラカメタローで制するなどの活躍もある。ブラックホールで今年2つ目の重賞タイトルを獲得できるだろうか?
ブラックホール自身も先月13日(木)から美浦で乗り込まれており、坂路と南Wで既に5本の時計を出している。調整過程は順調と考えていいだろう。410~420キロ台の小柄な馬だけに、馬体重がどの程度増えるか、注意しておきたいところでもある。
ケイティブレイブの手綱を取ってフェブラリーS(G1)で2着に入った長岡禎仁騎手、同じ日の小倉大賞典(G3)をカデナで制した鮫島克駿騎手など、厳しい環境ながらも結果を残す若手騎手もいる昨今、同世代の石川騎手もブラックホールで結果を残し、得意とする中山での皐月賞に人馬共に駒を進めることができるか、注目される。