【徹底考察】大阪杯(G2) ラブリーデイ&ショウナンパンドラ「主役をめぐる激闘が幕を開ける」
「1」ラブリーデイ編
『考察』
昨年は宝塚記念(G1)と秋の天皇賞(G1)を含めた重賞6勝を挙げ、最優秀4歳以上牡馬に選出されるなど大活躍だったラブリーデイ。昨年で適距離を把握して本格化を迎えた今年は、完全に中距離G1をターゲットに推移していくのだろう。次走には香港2000mのクイーンエリザベス2世C(G1)が予定されている。
本馬にとって今回の最大の焦点は、やはり休養明けのコンディションだろう。先述したように約1カ月後の次走には海外G1が控えているだけに、ここはさすがに余裕残しで出てくる公算が高い。
前走の有馬記念(G1)は5着に敗れたが、敗因は距離だけでなく、1年間で10走もした疲労の蓄積により本来の動きでなかった可能性が高い。確かに距離に限界のある馬だが、宝塚記念の舞台である阪神の2200mであれだけ強い競馬をする本馬が、中山の2500mでパフォーマンスを落としてしまうことは考えにくい。
従って、まずはこの約3カ月の休養で昨年の疲労が抜け切っているかどうかが、本馬がここだけでなく今年も強さを見せられるかの重要なポイントになりそうだ。そういった意味でも、ここで仕上がり過ぎていると逆に不安を覚えた方が良いのかもしれない。
【血統診断】
近親の目立った活躍馬は秋華賞(G1)4着のクーデグレイスがいる程度で、特に目立つ活躍馬はいない。キングカメハメハ×ダンスインザダークの配合も活躍馬は桜花賞(G1)4着のショウリュウムーンくらいのもの。強いて挙げれば、ショウリュウムーンが阪神の重賞を2勝していることが心強い程度か。しかし、母系に目をやるとダンスインザダーク×トニービン×リアルシャダイ×ノーザンテーストと日本競馬を支えてきた一線級の種牡馬がずらりと並ぶ。大物馬主の金子真人氏がこの血統の馬を抑えているのも、そこが強みなのだろう。言い換えれば、本馬のような大物が出現する下地があったということだ。母系はスタミナ十分で、血統だけを見れば本馬が昨年、阪神大賞典(G2)を惨敗しても天皇賞・春(G1)に出走した気持ちは理解できる。ただ、父キングカメハメハに長距離実績を上げた活躍馬が皆無である通り、やはり距離に限界のある産駒を出す種牡馬なのだろう。
≪結論≫
M・デムーロ騎手とのコンビということもあり、豪華メンバーの中でも1番人気が予想される。コンディション以外に死角らしい死角はなく、人気に応える走りを見せてくれる可能性が高いといえる。
今回の舞台となる阪神2000mに関しても、鳴尾記念(G3)を1:58.8の好時計で快勝していることから不安は皆無。むしろ「得意の舞台」と述べても良いだろう。この距離での安定感は「現役最高」と述べても過言ではないのかもしれない。となると心配は、週末に関西地方一帯で予報されている雨くらいか。「晴れ男」と呼んで差し支えない本馬が、これまで27戦して良馬場以外だったのは2着した小倉記念(G3)の稍重しかない。血統的に雨は問題ないがレースのダメージも考慮して、できれば良馬場でやりたいところだろう。