JRA「負けられない」ノーザンファーム!? サリオス皐月賞(G1)直行は打倒コントレイルの最善策!?

 4日、昨年の朝日杯FS(G1)を勝ったサリオス(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)が皐月賞(G1)へ直行することが明らかになった。同馬を所有するシルクホースクラブのHPで発表され、鞍上は短期免許が取得できれば、D.レーン騎手を予定。7日にノーザンファームしがらきから美浦トレセンへ帰厩を予定している。

 朝日杯FSでは前半600m33.8秒のハイペースな流れの中、好位からレースを進める。先行馬に厳しい流れとなったが、直線で先頭に立つと展開が向いた追い込み馬にさらに差をつけて快勝したサリオス。2歳世代のトップクラスの能力は間違いないだろう。

 同じく2歳G1・ホープフルSの勝ち馬コントレイルも皐月賞直行を明言しており、G1馬2頭が「4か月ぶりの実戦」で激突することになる。昨年の皐月賞は年明け初戦のサートゥルナーリアが制しており、外厩の充実を理由に直行という選択肢は珍しいものでなくなってきている。

 コントレイルはホープフルS勝ち後すぐに皐月賞直行を示唆したが、サリオスは朝日杯FS以降全くローテーションが明かされていなかった。それだけに今回の発表にファンは一安心したのではないだろうか。

 コントレイルはノースヒルズ、サリオスはノーザンファームの生産馬。サリオス皐月賞直行の選択には、生産界の勢力図も影響しているかもしれない。

「今年のノーザンファームのクラシック候補の最有力はサリオス。ほかの有力馬として目されていたマイラプソディが共同通信杯(G3)、アルジャンナがきさらぎ賞(G3)で、まさかの敗戦を喫しました。これから有力馬のワーケア、ヴェルトライゼンデが前哨戦を走る予定だが、どちらもホープフルSでコントレイルに土をつけられています。

 ノーザンファームとしてはサリオスが『打倒コントレイル』の頼みの綱。朝日杯FSは短期免許のR.ムーア騎手で制したため、鞍上確保問題が囁かれていました。皐月賞直行の判断は『レーン騎手確保』のためかもしれません。

 同騎手の短期免許取得期間にローテーションを合わせると、前哨戦は使わずに直行するしかないだろう。また皐月賞後はNHKマイルC(G1)に出走する可能性があり、レース間隔を気にしているのかもしれません」(競馬記者)

 皐月賞必勝のために、昨年初来日でG1・3勝の大旋風を巻き起こしたレーン騎手の起用は納得だ。

 今年の3歳重賞は京成杯(G3)をクリスタルブラック、きさらぎ賞をコルテジア、共同通信杯をダーリントンホールが制しており、この3頭はノーザンファームの生産馬でない。今年のクラシック戦線がノーザンファームにとって危機的状況なのが伺える。

 昨年の皐月賞はノーザンファーム生産馬が掲示板の4/5を占める活躍だったが、今年はどうなるだろうか。サリオス×コントレイルの対決の裏に、「ノーザンファーム×ノースヒルズ」という生産界の熱いバトルが見え隠れしている。

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