【ファルコンS(G3)展望】絶好調・武豊ラウダシオンVSビアンフェ! 中京に未来のスピードスターが集結
14日(土)、中京競馬場では短距離路線での活躍を目指す3歳馬が集結して、ファルコンS(G3)が行われる。2年前のファルコンSを優勝したミスターメロディは後に昨年の高松宮記念(G1)を制している。今年も未来のスプリント王者を発掘するレースとなるかもしれない。
3勝馬が2頭登録されている。そのうち先月の東京・クロッカスS(L)を制したラウダシオン(牡3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)に注目が集まっている。
クロッカスSは武豊騎手と昨年の小倉2歳S(G3)以来となるコンビを組み、2着以下に2馬身差をつけて快勝。レース後、武豊騎手は「夏と比べて断然良くなっている」とコメントしている。小倉2歳Sで3着に敗れた時から、馬も大きく成長したのだろう。
この中間も先月23日(日)に栗東の坂路で時計を出して以降、順調に乗り込まれ、1週前の今月4日(水)もCWで6F82秒3、ラスト1F12秒1をマークしている。
武豊騎手が絶好調なのも、ラウダシオン陣営には心強い。先月29日(土)にはサウジアラビアに遠征し、フルフラットでサンバサウジダービーCを優勝。さらに今月8日(日)には中山の弥生賞ディープインパクト記念(G2)をサトノフラッグで快勝した。今の勢いは他の人馬には脅威となりそうだ。
ラウダシオンは2011年の安田記念(G1)を制したリアルインパクトの初年度産駒で、このファルコンSを勝つと産駒の重賞初勝利となる。この馬には、馬産地からの注目も集まっている。
このラウダシオンに昨年の小倉2歳Sで先着し、優勝しているマイネルグリット(牡3歳、栗東・吉田直弘厩舎)も3勝馬だが、その後は京王杯2歳S(G2)で9着、朝日杯FS(G1)で13着と冴えないレースが続いている。実績からはラウダシオンに引けを取らないが近走成績から評価を落としているのが現状だ。
そのマイネルグリットの代わりに、ラウダシオンに対抗できる馬として注目が集まっているのが、函館2歳S(G3)の覇者ビアンフェ(牡3歳、栗東・中竹和也厩舎)だ。
ビアンフェは朝日杯FSこそ7着に敗れたが、2走前の京王杯2歳Sでは2着。1400mまでなら崩れておらず、母父がサクラバクシンオーでもあり、距離短縮がプラス材料となる可能性は十分にある。
朝日杯FSで手綱を取った藤岡佑介騎手もレース後、「スピード能力は素晴らしいものがあるので、活かすことができればタイトル獲得も期待できる」とコメントしている。
同コースで行われたこうやまき賞(1勝クラス)で2勝目を上げたアブソルティスモ(牡3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)も注目したい1頭だ。前走のクロッカスSでは中団から脚を伸ばすことができずにラウダシオンから0秒6差の4着と敗れた。
しかし、当時手綱を取ったC.ルメール騎手はレース後、「ダイワメジャー産駒だし、スローペースで切れ味を出せなかった」と語っている。こうやまき賞を勝った時や3走前のサウジアラビアRC(G3)で3着に入った時のように、前で流れに乗ることができれば、怖い存在となる可能性も十分にある。
この他、前走のフェアリーS(G3)では4着だったシャインガーネット(牝3歳、美浦・栗田徹厩舎)も、今回は新馬戦と赤松賞(1勝クラス)を連勝した際に手綱を取っていた田辺裕信騎手に手が戻る。状態の良い時を知っている鞍上だけに心強いだろう。
またラウダシオンと同じ栗東・斉藤崇史厩舎の管理馬で、小倉2歳Sで2着に入っているトリプルエース(牡3歳)も侮れない。新馬戦は稍重、小倉2歳Sは重馬場と、道悪で結果を残してきただけに、天候次第では押さえるべき1頭となるかもしれない。
今年のファルコンS出走馬から、後に短距離路線で頂点を極める馬は現れるだろうか? 要注目の一戦となりそうだ。