JRA「驚愕」斤量64kgが20年ぶり勝利! 馬体重448kgのノワールギャルソンが、まさかの7馬身差圧勝
28日、中京競馬場で行われた障害オープンは、ノワールギャルソン(牡8歳、美浦・田村康仁厩舎)が優勝。8番人気の伏兵ながら、最後は2着に7馬身差をつける強い内容だった。
すでに障害オープンを2勝している実績馬。だが、ノワールギャルソンが14頭中8番人気に甘んじたのは、明確な理由があった。背負わされた斤量はメンバー最高の64kgであり、さらにいえば64kg以上を背負った馬は、ここ20年間勝っていなかったからだ。
言い換えれば、今回のノワールギャルソンの勝利はある意味、記録的な快挙となった。
「いやあ、強かったですね。実績は認めながらも、斤量的に『さすがに苦しいだろう』と思っていたんですが。いつも先団にとりつく馬をあえて控えさせた、鞍上の江田勇亮騎手の好判断が光りました。
斤量64kgの勝利は2000年9月のロードアトラス以来、約20年ぶり。障害レースに詳しいファンなら『64kg以上は文句なしの切り』なんですが……お見事でした」(競馬記者)
2000年9月にロードアトラスが障害オープンを勝利して以来、斤量64kg以上を背負った馬は13連敗……。もともと重い斤量が課される障害レースでさえ、出走は稀だ。実際に今回のノワールギャルソンが約3年ぶりの出走だった。
「この日のノワールギャルソンは馬体重448kgでの出走。決して、馬格に恵まれた馬ではありませんし、7馬身差の圧勝は驚きです。20年前のロードアトラスは、2着馬とハナ差という接戦の中での勝利。京都ハイジャンプS(G2)を勝った強豪でしたし、ノワールギャルソンも今後、障害重賞を賑わす存在になるかもしれませんね」(別の記者)
ちなみに2000年のロードアトラス以降、斤量64kg以上を背負った馬は13回出走したが、勝利どころか2度の競争中止がある。これだけを見ても、如何に過酷な斤量であるのかが窺える。
また、JRAでの過去最高斤量の勝利は1932年の77kg(フラミンゴー)と記録されている。近代競馬では考えられない負担重量だった。