JRA武豊「引退」囁かれたザタイキ事件から10年。完全復活へ「『武豊』の真価が問われている」毎日杯(G3)サトノインプレッサは「らしい」勝利

 この春の楽しみが、大きく膨らむ勝利だった。

 先週28日に阪神競馬場で行われた毎日杯(G3)は、2番人気のサトノインプレッサ(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が優勝。デビューから無敗の3連勝となり、春のG1戦線に力強く名乗りを上げている。

「素質はかなり秘めている。どこまで強くなるか楽しみ」

 レース後の勝利騎手インタビューで相棒をそう称賛したのが、数多の名馬とコンビを組んできた武豊騎手だ。皐月賞(G1)ではマイラプソディとのコンビが濃厚な中、サトノインプレッサはNHKマイルC(G1)に回ることに。コンビ継続なら、競馬界のレジェンド・ジョッキーが例年以上の充実した春を送ることになるかもしれない。

 そんな武豊騎手には、この毎日杯に忘れられない苦い思い出がある。

 10年前の2010年、競馬は武豊が絶対的中心の時代だった。長期海外遠征を敢行した2001年を除けば、1989年から20年連続の関西リーディングを継続中。あの3月27日も、毎日杯までに35勝を上げるなど、誰もが“武豊政権”は盤石と信じて疑っていなかった。

 しかし、武豊騎手にとって騎手生命を左右するアクシデントは突然やってきた。

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