JRA「幻のG1馬」クリノガウディー「ジンクス」打ち破れるか!? メジロマックイーン、ブエナビスタも苦い経験……
2日、高松宮記念(G1)で1位入線から4着に降着したクリノガウディー(牡4歳、栗東・藤沢則雄厩舎)が放牧を挟んでから、サマースプリントシリーズへ向かうことが明らかになった。
管理する藤沢則調教師は「年明けから3走ともよく走ってくれた。春は休んで、サマースプリントシリーズに行きます」と話した。初戦は6月の函館スプリントS(G3)か、7月のCBC賞(G3)のどちらかを予定している。
3月29日の高松宮記念では1位入線を果たしたクリノガウディー。だが、最後の直線で内側に斜行してダイアトニック、モズスーパーフレアの走行を妨害したとして4着に降着。G1史上4頭目の1位入線からの降着となった。
惜しくも初のG1制覇を逃したものの、初のスプリント戦で極めて高い適性は示した。秋のスプリンターズS(G1)でリベンジと行きたいところだ。
クリノガウディーが次走に予定しているサマースプリントシリーズは、2006年から始まった夏競馬の名物だ。6月の函館スプリントSから9月のセントウルS(G2)までのスプリント重賞6レースが対象。着順に応じて付与されるポイントの合計で争われる。
昨年はタワーオブロンドンがサマースプリントシリーズを優勝し、勢いそのままにスプリンターズSを制した。他にも同シリーズ王者はスプリンターズSで馬券に絡む活躍をしている。
07年 サンアディユ 2着
09年 カノヤザクラ 3着
11年 エーシンヴァーゴウ 3着
13年 ハクサンムーン 2着
19年 タワーオブロンドン 1着
スプリンターズSで春の“忘れ物”を取り返したいクリノガウディーにとって、まずここを優勝することが重要になるだろう。だが、そのためには打ち破らなければならない「ジンクス」がある。
過去にG1レースで1着入線後に降着となった馬はメジロマックイーン、カワカミプリンセス、ブエナビスタの3頭。降着となったレースの次走は3頭とも1番人気に支持された。しかし、みな人気に応えることができず、「敗北」している。
さらに次の勝利まで時間を要する傾向がある。メジロマックイーンは3走後の阪神大賞典(G2)で復活の勝利だが、ブエナビスタは6走後のジャパンC(G1)で勝利するまで1年を要した。カワカミプリンセスに至っては、その後11走したが1度も勝利することはできなかった。
スプリント王を目指すクリノガウディーにとって、このジンクスは避けて通れない道のりだ。
初の1200m戦の高松宮記念で実力の高さを示したクリノガウディー。サマースプリントシリーズで弾みをつけて、G1の舞台で再度ゴール板を最初に通過することができるだろうか。
まずは次走でジンクスを打ち破れるかに注目だ。