JRAダービー卿CT(G3)柴田善臣「それなのにあれだけの脚を使ってくれた」伏兵・ペプチドバンブーが『超絶』万馬券を演出する理由
4日に中山競馬場でダービー卿CT(G3)が開催される。過去10年で、1番人気馬の勝利は稀代のマイル王・モーリスのみ。荒れるハンデ重賞は、今年も一波乱ありそうだ。
その波乱の立役者になりうるのが、最軽量ハンデのペプチドバンブー(牡5歳、栗東・武英智厩舎)だ。
デビューから芝レースを使われてきたペプチドバンブーだが、なかなか勝ちきれず7戦目で初のダート戦に出走した。ダート替わりは効果てきめん。いきなり未勝利戦を突破する。
その後はダートを主戦場として、1勝クラスでは惜しい2着を2回挟み、3戦目で勝利した。続く2勝クラスも初戦は、10着と凡走に終わるも、2戦目で突破。ダート転向後は【3,2,0,1】と抜群の成績を残す。
だが、3勝クラス初戦で選んだレースは芝1400mで行われる雲雀S。これまでダートで成功した馬が、再度芝レースへの「意外」な復帰となった。レースは最後方から進み、直線で追い込むも7着に終わる。久々の芝レース、12番人気の低評価だったこと考えれば、健闘した結果ともいえるだろう。
この敗戦を受けてダートに戻ると思いきや、陣営が下した決断は再度「芝レース」への挑戦だった。
そして3月に中京競馬場の芝1600mで行われたトリトンS(3勝クラス)に出走。レースは後方から追い込みを決めて見事勝利した。これでペプチドバンブーは、芝レース初勝利とともにオープン入りを果たす。
トリトンS当日の馬場状態は「不良」。ペプチドバンブーの勝因は馬場状態にあったという見方がある。
しかし、勝因は馬場ではないのかもしれない。
「2走前の7着に敗れた雲雀Sで騎乗した柴田善臣騎手は、4コーナー手前でムチを落としてしまったそうです。この結果に柴田騎手は『それなのにあれだけの脚を使ってくれたし、まともなら勝負になる。芝の走りはいい』と能力の高さと芝への適性を認めています。そのため、前走の勝利は馬場が向いたわけではなく、“ある意味”期待通りだったというわけです」(競馬記者)
実際に雲雀Sの映像を確認すると、たしかに直線で柴田騎手がムチを入れている素振りは見られない。それでも直線での末脚は目を見張る。ダービー卿CTは最軽量ハンデの54kgのため、十分に風穴を空ける期待ができるだろう。
3日時点の『netkeiba.com』の予想オッズで、ペプチドバンブーは10番人気・単勝39.7倍想定の伏兵だ。
天気予報通りにいけば、レースは「良馬場」で行われることが予想される。それでも、“期待通り”ならば、ペプチドバンブーが芝レース2連勝を決め、波乱の立役者になるかもしれない。