JRA・M.デムーロ「会心の騎乗」に秘められた思い。「電車も動いてないし、ガソリンスタンドもやってない」イタリアの家族に届けた明るいニュース

 5日、阪神競馬場で行われた大阪杯(G1)は、ラッキーライラックがG1・3勝目を飾った。2歳女王に輝いた後、長く低迷していたが、昨年のエリザベス女王杯(G1)で復活。今回は強豪牡馬を相手にG1勝利と、さらに大きな勲章となった。

 しかし、そんなラッキーライラック以上に大きな勝利となったのが、鞍上のM.デムーロ騎手ではないだろうか。

 デムーロ騎手にとっては、昨年5月のオークス以来となるG1勝利。大舞台での勝負強さが光るイタリア人騎手の「復活」を印象付けたレースだったが、今回は単純なG1勝ち以上に大きな意味があったという。

「前走の中山記念(G2)から新コンビとなったデムーロ騎手ですが、実はラッキーライラックが所属するサンデーレーシングから重賞の騎乗依頼があったのは、2年前(2018年)のセントライト記念(G2)以来……。得意だった大レースで結果が出ないなど、低迷期にあったのはサンデーレーシングのような大手クラブ馬主から有力馬の騎乗依頼が来ないことが背景にありました。

 そういった意味で、今回ラッキーライラックで結果を出したことは、今後を考えても非常に大きい。勝負所であえて仕掛けを遅らせたレースぶりに、関係者は『さすがミルコ』と唸っていましたね。数年前『G1ハンター』と言われていたデムーロ騎手が復活するかもしれません」(競馬記者)

 先週も3勝を上げ、1番人気馬にも5回騎乗するなど、調子・馬質ともに上り調子にあるデムーロ騎手。ただ、大阪杯で見せた会心の騎乗の“裏”には、並々ならぬ意気込みがあったのかもしれない。

「いやぁ、もうすごいね。家族のことが本当に心配です」

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