JRA桜花賞(G1)石川裕紀人「阪神」未勝利の衝撃……アネモネS(L)覇者インターミッションで初勝利だ
JRAには10の競馬場があり、それぞれコースの形状が異なっている。JRAに所属する騎手はこれらの競馬場を渡り歩いて騎乗しているが10もあれば、どうしても得意、不得意とする競馬場が出てくるものである。
12日(日)の桜花賞(G1)で、インターミッション(牝3歳、美浦・手塚貴久厩舎)に騎乗する石川裕紀人騎手には、こんなデータがある。
2014年にデビューし、今年で7年目となる石川騎手は、これまでJRAでは168勝を挙げている。美浦所属の騎手だけに、勝ち星の多くは中山や東京だが、京都や小倉でも勝ち星がある。
だが、まだ勝ち星を挙げていない競馬場がある。そのひとつが桜花賞の舞台となる阪神競馬場なのだ。
石川騎手はこれまで阪神競馬場では15回騎乗しているが、戦績は【0・0・0・15】。まだ、馬券圏内に入ったこともないのだ。他の競馬場で勝ち星があり、重賞でも3勝を挙げている騎手であることを考えると、データからは阪神が不安ということになりそうだ。
今回のインターミッションは前走のアネモネS(L)に引き続き、石川騎手が手綱を取る。石川騎手が乗り替わり以外で、阪神で騎乗したことは一度もない。デビュー以来、初めてのとなるケースで阪神競馬場のレース騎乗となる。
しかもインターミッションは、新馬戦の時から石川騎手とコンビを組んでいる。2戦目の菜の花賞(1勝クラス、3着)の時も、前走のアネモネSで勝利して優先出走権を獲得した時も、石川騎手が騎乗していた。全て知り尽くしている馬で挑む、阪神競馬場でのレースなのだ。これまでの実績を覆す可能性は十分にありそうだ。
インターミッションは新馬戦での馬体重が416キロという小柄な牝馬である。続く菜の花賞では6キロ減って410キロに、更にアネモネSでは10キロ減って400キロで出走していた。このため、関西地区への輸送を懸念する声が多い。
そこで、管理する手塚貴久厩舎は輸送減りという不安を解消すべく、前走後は早めに栗東へ輸送し、栗東で調整する形を取った。先月29日(日)には坂路で、今月2日(木)にはCWでそれぞれ時計を出している。2日(木)の1週前追い切りは併せ馬の形だった。輸送減りの不安はなく、アネモネSと同様の状態にあると考えていいだろう。
後は石川騎手が手の内に入れている馬で“鬼門”の阪神競馬場を克服できるかがポイントとなりそうだ。石川騎手にとって、この桜花賞は12回目のG1挑戦となる。
前回、G1で騎乗したのは、ブラックホールと共に挑んだ昨年のホープフルS(G1)だったが、この時は9着。果たして桜花賞では何着になるか、そして阪神で初めて結果を残すことができるか。石川騎手にとって、今年の桜花賞は小さくはないチャンスとなりそうだ。