JRA桜花賞(G1)ウーマンズハート豪脚復活!? 藤岡康太が「この馬、やばい」と絶賛した「大器」が師のラストチャレンジに華を添えるか
12日、阪神競馬場で春のクラシック開幕戦・桜花賞(G1)が開催される。2歳女王レシステンシア、シンザン記念(G3)勝ち馬サンクテュエール、エルフィンS(L)を圧勝したデアリングタクトなどに注目が集まる。
その1戦で、地に落ちた評判の回復を図りたいのが“大器”ウーマンズハート(牝3歳、栗東・西浦勝一厩舎)だ。
昨年8月の新潟2歳S(G3)。1番人気に支持されたウーマンズハートは、上がり最速32秒8の豪脚で外から突き抜けて勝利。鞍上の藤岡康太騎手はレース後、「この馬、やばいわ」と驚愕。まだフラつくこともあるものの、「それでしっかり差し切るのだから能力、ポテンシャルは間違いない」と手放しで称賛していた。
スケールの大きな走りを見せたウーマンズハートに『クラシック制覇も夢ではない』と感じた関係者も多くいた。ところが、続く阪神ジュベナイルF(G1)では勝ち馬から1秒2差の4着に終わると、今年のチューリップ賞(G2)でも6着と完敗。大きく膨らんだ期待は、いつしかしぼんでしまっていた。
「前走でウーマンズハートは中団追走から最後の直線にかけたものの、新潟2歳Sなどで見せた末脚は鳴りを潜め、あえなく掲示板外に沈みました。藤岡康騎手は陣営から『タメを利かせる競馬』との注文があったので、『折り合いを重視して乗りました』と話し、道中は無難に進むことができたものの、『伸び切れませんでしたね』と肩を落としていました。
ですが前走は約3カ月の休養明けで、さらにマイナス10キロでの出走。またトモの頼りなさも指摘されていました。今回は一度叩いたことで状態が上向いるでしょうし、徐々にではあるものの、トモも良化しているとのこと。期待してもいいのでは?」(競馬記者)
そのウーマンズハートの1週前追い切りは、藤岡康騎手を背にウッドで古馬オープンのブラックムーンと併せ馬。6F81秒3、ラスト12秒1を記録し、半馬身差で先着している。
「桜花賞は、チューリップ賞をステップに挑戦した馬が好成績を残しています。ただ最近でこの2戦を連勝したのは、2014年のハープスターのみで、チューリップ賞の結果が悪くとも巻き返した例も多いんです。
プリンセスジャックはチューリップ賞で8着でしたが、桜花賞で14番人気ながら3着、同11着のクルミナルも桜花賞は7番人気でしたが2着と好走してます。そしてこの2頭は、ウーマンズハートと同じく後方から競馬を展開するタイプでした。展開さえむけば、上位進出の可能性も十分あると思います」(競馬誌ライター)
ウーマンズハートを管理する西浦師は来年の2月で引退。今年の3歳G1戦線がキャリア最後の挑戦となる。かつて「大器」と評された同馬は、鋭い末脚を取り戻し、西浦師のラストチャレンジに華を添えることができるだろうか?