JRA皐月賞(G1)クリスタルブラックだけが当てはまった「勝利の法則」発見!? 桜花賞(G1)デアリングタクトにヒントが隠れていた?
19日、中山競馬場で皐月賞(G1)が開催される。無敗で2歳G1を制したコントレイルとサリオス、弥生賞(G2)勝ち馬のサトノフラッグの「3強」ムードの様相だが、クリスタルブラック(牡3歳、美浦・高橋文雅厩舎)も忘れてはならない1頭だ。
前走の京成杯(G3)は後方からレースを進めたクリスタルブラック。4コーナーでは大外を回して、逃げ粘るスカイグルーヴを差し切り勝利した。まさに大外一気の豪脚炸裂だ。
「京成杯で負かしたスカイグルーヴは期待の良血馬です。また4着のビターエンダーも共同通信杯(G3)でタイム差なしの2着に好走しています。クリスタルブラックはキャリア2戦のため、同世代と比較できるレースが少ないですが、このレースの勝利だけでも十分に価値があります。
忘れてはならないのが、コントレイル、サリオスは無敗のG1馬ですが、クリスタルブラックも同じく無敗の重賞勝ち馬ということです。まだ底を見せていないという意味では逆転候補の資格はあります」(競馬記者)
さらに京成杯から皐月賞への直行ローテーションも後押しになるかもしれない。2018年にジェネラーレウーノが同じローテーションで皐月賞に挑み3着に好走。また10年にはエイシンフラッシュも同じく3着だった。どちらも勝ってはいないが、8番人気と11番人気の低評価を覆しての大健闘だ。クリスタルブラックにも「3強」に風穴を空ける期待が持てる。
そして、桜花賞(G1)のデアリングタクト優勝も、クリスタルブラックの勝利を示唆しているかもしれない。
まず「エピファネイアVSキズナ」という点に注目したい。
エピファネイアとキズナは現役時代に幾度もしのぎを削ったライバル関係だ。初対決のラジオNIKKEI杯(G3・※当時阪神芝2000条件)はエピファネイアが勝利。2度目の対戦となった弥生賞(G2・現ディープインパクト記念)はエピファネイア4着、キズナ5着と敗れ、3度目の日本ダービー(G1)はキズナが勝利した。
この順番と同じだとすれば、桜花賞をエピファネイア産駒のデアリングタクトが勝利したため、次はキズナ産駒の番かもしれない。皐月賞に出走予定のキズナ産駒はキメラヴェリテ、クリスタルブラック、ディープボンドの3頭だ。
さらに昨年の桜花賞と皐月賞の「共通点」にも注目したい。
昨年の桜花賞馬グランアレグリア、皐月賞馬サートゥルナーリアはともに2歳G1からの直行で、クラシック初戦を制した共通点があった。年明け初戦での勝利は、どちらも「史上初」の快挙だ。
今年、デアリングタクトは「キャリア3戦目」で桜花賞を制した。これは40年ぶり3頭目の「史上最少キャリア」タイの記録である。皐月賞が3戦目となるのはクリスタルブラックただ1頭。昨年同様に、桜花賞から皐月賞への“流れ”があるとすれば、クリスタルブラックが「唯一」当てはまるのだ。
実力、そして“過去の法則”ともにクリスタルブラックを後押しするデータが出揃った。3強の撃破となるか注目したい。