JRAダノックスのG1連敗ストップはダート!? 「伝説の名牝」の血を引く超大物がダートで覚醒
カフェファラオに続くダートの超大物候補誕生か?
19日、皐月賞(G1)で盛り上がりを見せた中山競馬場だったが、中山6R(1勝クラス)を圧勝したダノンファスト(牡3、美浦・菊沢隆徳厩舎)は、ぜひとも覚えておきたい1頭だ。
土曜の雨が残った重のダート1800mを直線3番手から楽に抜け出し、1.51.0の好時計で突き抜けた。同じくダート1800mだった7R(1勝クラス)を快勝したレイデオロの弟ソルドラードの勝ち時計1.52.1と比較するとその差は1秒1である。これは、ダノンファストのタイムがいかに優秀だったかの裏付けにもなりそうだ。
ダノンファストは昨年11月にデビューし、芝の2戦をいずれも3着に敗れてダートに転戦した。初ダートとなった1月の未勝利戦を2着馬に大差をつける大楽勝で初勝利をあげた。続く2月の2走目の1勝クラス、東京ダート1600mではこれまでの先行から一転して後方の外から追い込んで一旦は先頭に立つも、テーオーケインズに差し返されて2着に敗れた。
そして、初ダートを圧勝した中山のダート1800mで改めて潜在能力の高さを証明したのが今回だった。
ダノンファストは父キングカメハメハ、母ダンスファンタジア(母父ファルブラヴ)とういう血統である。なかでも目を引くのは母母ダンスインザムードだろう。デビューから4連勝で無敗の桜花賞馬であり、記念すべき第1回ヴィクトリアM(G1)の初代勝ち馬ともなった名牝だ。
「楽しみな馬が出てきましたね。父キングカメハメハということもあってダート適性も高かったのでしょう。何といってもダンスインザムードの母はあのダンシングキイです。ダンシングキイといえば、他にも菊花賞馬ダンスインザダークやオークス馬ダンスパートナーを出している伝説の名牝です。これはオールドファンにはたまらない血統ですね」(競馬記者)
これだけの強さを見せながらも、同馬を管理する菊沢隆徳調教師が「まだまだ課題が多く、成長段階の馬です。少しずつ馬は良くなってきています」と、注文を付けたこともダノンファストへの大きな期待の表れだろう。
また、オーナーであるダノックスは多くの有力馬を所有しながらも昨年、今年とG1を勝てない状況が続いているが、案外この馬がダートG1で連敗をストップすることもあるかもしれない?
ダートで花開いた素質馬の今後の活躍に熱いまなざしを向けたい。