JRA武豊に続いて、M.デムーロ×オメガパフュームも泣く泣く「コンビ解消」……。「棚ぼた」でも、乗り替わり騎手は喜んでいられない!?

 24日、オメガパフューム(牡5歳、栗東・安田翔伍厩舎)が北村友一騎手との新コンビで、5月23日の平安S(G3)に出走することが明らかになった。

 昨年の東京大賞典(G1)などG1・3勝を挙げるオメガパフュームは、これまでM.デムーロ騎手が主戦を務めてきた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止策として、5月31日まで騎手の移動制限が延長されたことに伴い、デムーロ騎手から北村友騎手へ乗り替わりとなった。

 この移動制限とは、土曜日と日曜日の間の移動を制限するもので、それぞれ違う競馬場で騎乗できなくなるというもの。そのため、平安Sと同じ週に東京競馬場で開催されるオークス(G1)に騎乗予定のあるデムーロ騎手は、泣く泣く乗り替わりを認めざるを得なかったわけだ。

 デムーロ騎手以外にも、既にこの影響は出てきている。武豊騎手がデビューから手綱を取ってきたアドマイヤビルゴも、次走の京都新聞杯(G2)では藤岡康太騎手への乗り替わりが発表されたばかり。デムーロ騎手同様に、武豊騎手も同じ週に東京開催のNHKマイルC(G1)に騎乗予定があるためだった。

 武豊騎手についてはこれだけでなく、中央再転入後4連勝中のロードレガリスの平安Sも諦めざるを得ない状況になっている。自身のホームページの日記で移動制限について、「決定の趣旨は理解するところですが、G1については幅をもたせてほしいというのが本音です」とこぼしているぐらいだ。

 5月は、10日のNHKマイルから東京競馬場ではG1レースが毎週続くため、トップジョッキーは必然的に東京競馬場に集結する。そのため裏開催の重賞には騎乗できなくなり、お手馬の騎乗を諦めるしかないのだ。

「今回の移動制限の影響で、第2場にいる騎手には有力馬が回ってくるケースが頻発しそうです。棚ぼたで有力馬とコンビを組める若手、中堅騎手にとっては朗報かもしれませんが、手放しでは喜べないかもしれません。

 オメガパフュームやアドマイヤビルゴは、あくまでも暫定的な乗り替わりです。いい結果を出しても、次走では主戦騎手に戻るのが基本です。しかし、オーナーサイドへのアピールの場という意味では、絶好のチャンスですね。ここで結果を出せば、他の騎乗依頼が舞い込むこともありそうです。是非この機会を活かして欲しいものですね」(競馬記者)

 アドマイヤビルゴは故・近藤利一氏の遺志で、武豊騎手とコンビを組んだ経緯がある。それを踏まえると、基本線が武豊騎手なのは当然だろう。そのままコンビ結成など、虫のいい話はそう転がっているものではない。

 意外な有力馬に騎乗できる騎手にとっては、今後につなげるチャンスとして好騎乗に期待したい。そして、来年は新たなパートナーとともに、東京のG1レースに参戦していることを願いたい。

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