JRAサリオスNHKマイルC「回避」で日本ダービー参戦濃厚!? コントレイル逆転に「強気」の理由
26日、3歳マイル王決定戦として5月10日に開催されるNHKマイルC(G1)の登録馬が発表された。
デビューから3戦3勝で毎日杯(G3)を制したサトノインプレッサ、桜花賞(G1)で2着の2歳女王レシステンシアに加えて、前哨戦のニュージーランドT(G2)を制したルフトシュトローム、アーリントンC(G3)の勝ち馬タイセイビジョンら22頭が登録。フルゲート18頭のため、収得賞金900万円の9頭の中から3頭が除外対象となる。
レースは武豊騎手のサトノインプレッサとC.ルメール騎手のレシステンシアの対戦に注目が集まりそうだ。
その一方、出走するか注目されていたサリオス(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)の名は、登録馬の中にはなかった。
デビューから3連勝で朝日杯FS(G1)を制したサリオス。同レースは3F33秒8のハイペースで流れ、先行馬にとって厳しいレースであった。そのなか3番手からレースを進めたサリオスは展開の不利をものともせず、2着のタイセイビジョンに2馬身半差の勝利を収めた。のちにタイセイビジョンはアーリントンCを圧勝しているため、このレースはマイル戦でのサリオスの能力の高さの裏付けにもなるだろう。
続く皐月賞(G1)はこれまで3戦がすべてマイルだったこともあり、距離不安が囁かれた。だが、レースではその不安を吹き飛ばし、コントレイルとゴール前で壮絶な叩き合いを繰り広げる。惜しくも半馬身コントレイルに先着を許したが、3着馬には3馬身半差をつけ、世代トップクラスの実力を証明した。
皐月賞後は次走について明言されていなかったため、さらなる距離延長で日本ダービー(G1)に挑戦するのか、それとも得意のマイル戦に復帰するのか注目が集まっていた。
そして今回、NHKマイルCにエントリーしていないことが明らかになったため、日本ダービーへコマを進めることが濃厚となった。これにはあの外国人騎手が大きく影響しているかもしれない。
「サリオスの皐月賞は、D.レーン騎手がロスのないコース取りをした好騎乗が光るレースでした。陣営はその手腕を高く評価しています。レーン騎手の短期免許期間は5月17日までですが、宝塚記念(G1)が行われる6月まで延長する予定のようです。
当初の免許期間では日本ダービーに騎乗できませんが、延長となればレーン騎手の騎乗が叶います。このことが陣営の選択には影響しているはずです」(競馬記者)
実際に来日後2週間で、レーン騎手の堀厩舎管理馬の騎乗成績は【6,2,0,1】と抜群の内容だ。これだけ心強いパートナーであれば、得意のマイルではなく日本ダービー挑戦も頷けるだろう。
さらにレーン騎手は皐月賞について「外に出すタイミングをうかがっていたら、結局馬場の悪い部分を走ることになってしまいました」と敗因を述べており、まだサリオスに逆転の可能性を感じているようだ。
D.レーン騎手とのコンビ継続に加えて、皐月賞後に元JRA騎手の安藤勝己氏が、自身のTwitterで「サリオスは負けて強しも、安全な競馬しすぎたな。勝負付けはまだ済んでない」と述べているように、逆転の可能性もあるとなれば、陣営にとって日本ダービーは楽しみなレースになるだろう。
まだ正式に日本ダービー参戦は発表されていないが、府中の舞台でコントレイルとサリオスの3歳頂上決戦・第2ラウンドが待ち遠しい。