JRA川田将雅「ハンデ」もらってもルメールに勝てない!? 昨年以上の勝ち星あげながら、早くもリーディング奪取が「絶望的」な理由……
川田将雅騎手の悲願のリーディング奪取に早くも「審議」のランプが点灯したかもしれない。
昨年は7月の段階で2位C.ルメール騎手に19勝差をつけ、セーフティリードかに思われたが、最終的に12勝差をつけられての2位に甘んじた。川田騎手にとってはタイトル奪取に向けて今年こその想いはより強くなったに違いない。
4月27日現在、騎手リーディングトップをひた走る川田騎手は、昨年同時期の58勝を上回る69勝をあげている。勝率31.4%、連対率48.6%、複勝率60.5%はいずれもトップで文句のつけようがない。
にもかかわらず、早くもリーディング奪取に「審議」のランプが点灯しているのはなぜだろうか。やはり、気になるのは昨年返り討ちにあった相手であるC.ルメール騎手の成績である。
勝率、連対率、複勝率は川田騎手が上ではあるが、2位のルメール騎手との差はわずか9勝でしかない。ルメール騎手もまた、昨年同時期の43勝を上回る60勝をあげている。
昨年よりも川田騎手が11勝を上乗せしたのに対し、ルメール騎手はそれより上の17勝なのだ。
15勝差あった昨年同時期と比べて、今年は9勝差でしかない。昨年以上に勝ちながら、差が広がるどころか縮まっているのだから、川田騎手にとっては脅威だろう。昨年は15勝だった中内田充正厩舎の騎乗馬での勝利が、今年は8勝にとどまったことも痛い。
重賞レースの成績も数字が伸び悩んでいる理由にもなっているだろう。確勝級の平場で勝ち鞍を稼ぐスタイルは両者とも似ているが、重賞レースとなると圧倒的に川田騎手の成績が見劣ってしまう。
川田騎手は19鞍に騎乗してすべて4番人気以内。内訳は1番人気2勝、3番人気1勝の勝率15.8%で、全体成績の勝率31.4%の約半分である。
対するルメール騎手は同じく19鞍に騎乗してすべて5番人気以内。内訳は1番人気2勝、2番人気1勝、3番人気2勝の勝率26.3%で、全体成績の勝率28.2%からそれほど落ちていない。
「ルメール騎手が新型コロナの影響で中止となったドバイ国際競走の関係で3週間も騎乗できなかったにもかかわらず、ルメール騎手との勝ち数の差がドバイに出国する前とほぼ変わっていません。重賞でも断然人気に推されたきさらぎ賞(G3)のアルジャンナ、小倉大賞典(G3)のヴェロックス、阪神大賞典(G2)のキセキで敗れたイメージもよくないですね。
さらにこれからは天皇賞・春(G1)から安田記念(G1)まで6週連続のG1開催があります。昨年の川田騎手はJRAのG1をクリソベリルのチャンピオンズC(G1)しか勝てなかったように、苦手としていることもネックになりそうです。昨年は秋に逆転されましたが、今年は宝塚記念(G1)まで持つかどうか……」(競馬記者)
日本人騎手のリーディングは2016年の戸崎圭太騎手を最後に、17~19年とルメール騎手が3連覇している状況だ。このままいくとルメール騎手の4連覇が濃厚かもしれない。
4年ぶりとなる日本人騎手リーディング奪還のためにも、川田騎手の踏ん張りに期待したい。