JRA青葉賞(G2)友道厩舎の「期待馬」フライライクバード「絶好調」福永祐一でダービーの権利取り! 勝利の先に待ち受ける「苦難」とは……
5月2日、東京競馬場でダービートライアル・青葉賞(G2)が開催される。本番・日本ダービー(G1)と同じ舞台で行われる注目のレースだ。現在2連勝中と勢いに乗るフライライクバード(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)に注目したい。
キャリア5戦、すべてで1番人気の支持を集めてきたフライライクバード。セレクトセールで1億800万円の高額取引された馬だけに期待は大きい。同厩舎の6億円ホース・アドマイヤビルゴと並んで、名門厩舎の3歳2枚看板とも言える存在だ。だが、デビューから3戦はなかなか勝ちきれないレースが続いた。
その状況に転機となったが「距離延長」だ。これまで1800~2000mの距離を使われてきたが、4戦目となる2月の阪神未勝利戦で初めて2400mのレースに挑む。結果は2着に5馬身差の圧勝。距離延長が功を奏し、これまでの惜敗続きにピリオドを打った。
続くアザレア賞(1勝クラス)でも、上がり最速の末脚を繰り出し勝利。これで2400mのレースを2戦2勝とした。青葉賞の出走予定メンバーでは、2400mという距離を経験している馬自体が少ない中で、同距離で2勝を挙げている点は心強いデータだろう。
また血統面でも、フライライクバードにとって負けられない戦いとなりそうだ。半姉のシングウィズジョイも、2015年にオークストライアル・フローラS(G2)を制しているのだ。だが、同馬は本番のオークス(G1)では17着に惨敗してしまった。弟であるフライライクバードには青葉賞だけではなく、本番・日本ダービーでの活躍の期待が寄せられる。
そんなフライライクバードにとって、青葉賞でコンビを組む福永祐一騎手の勢いも後押しとなりそうだ。19日の皐月賞(G1)では、後方の位置取りとなったコントレイルを3角から外を回して勝利に導いた。26日のマイラーズC(G2)では、インディチャンプを危なげないレースで勝利にエスコート。2週連続の重賞勝利は、福永騎手の判断が冴え渡った結果だろう。今最も勢いに乗るジョッキーが騎乗することは好材料だ。
「ダービーで福永騎手はコントレイルに騎乗することが決まっています。また現在は騎手の移動制限で、青葉賞に騎乗すると土日ともに東京に滞在することになります。関西所属の福永騎手にとっては、騎乗馬確保が難しいのが実際のところです。それでも、フライライクバードの騎乗を選択したということは、期待の表れではないでしょうか」(競馬記者)
実際に福永騎手の皐月賞ウィークの中山での乗鞍は、土日合わせてわずか4鞍。先週の京都が17鞍だったため、差は歴然だ。そのリスクを冒してまで、フライライクバードの騎乗を選んでいるのである。
しかも、福永騎手は日本ダービーではコントレイルの騎乗が決まっているため、青葉賞に勝ったとしても、フライライクバード陣営は新たなパートナーを見つける必要がある。
だが、ダービーの心配よりもまずは青葉賞を勝利することが最優先。フライライクバードは福永騎手を背に、姉に続くトライアル制覇をできるだろうか。現在「絶好調」の鞍上の手腕に期待したい。