【JRA天皇賞】武豊・横山典弘「長距離の名手」は迷信!? 急上昇は意外な「あの騎手」

 今週行われる天皇賞・春は、芝3200mで行われJRAの平地G1レースでは最も距離が長い。ブラッドスポーツと呼ばれる競馬は、明らかに短距離向きの馬と長距離向きの馬に分れている。いわゆる距離適性だが、これは競馬ファンにとっても馬券検討の重要なファクターの1つだろう。

 しかし、馬に長距離適性があるように、騎手も同じように長距離適性があることをご存じだろうか。

 例えば現在リーディング1位の川田将雅騎手は、ここまでJRAの重賞を87勝しているが、芝2500m以上の重賞勝利は2010年の菊花賞と2006年の目黒記念のみ。なんと10年近く未勝利という状況なのだ。実際に2500m以上となれば勝率や連対率も低い。騎乗馬の質は決して悪くはないのだから、本人の中で無意識にでも苦手意識があるのかもしれない。

 以上のように、騎手もそれぞれ個性や得意分野があると見ていい。そこで今回は、天皇賞・春に騎乗する全騎手の長距離成績をチェックし、どの騎手が長距離に好成績を残しているのか、どの騎手がイマイチなのか探ってみた。集計方法は過去5年少々、つまり2015年から先週までで、芝2500m以上の騎乗成績を集計。勝率・連対率・複勝率から、各騎手の長距離相性を調査した。

 ※騎手名(天皇賞の騎乗馬)
 2015年1月~2020年4月26日までに騎乗した芝2500m以上の騎乗成績と本年の成績


 ■池添謙一(1枠1番モズベッロ)
 ※芝2500m以上
 【6・6・1・46】勝率10.1%・連対率20.3%・複勝率22.0%
 ※2020年全成績
 【12・19・14・123】勝率7.1%・連対率18.5%・複勝率26.8%

 ■川田将雅(2枠2番エタリオウ)
 ※芝2500m以上
 【4・4・6・30】勝率9.0%・連対率18.1%・複勝率31.8%
 ※2020年全成績
 【69・38・26・87】勝率31.4%・連対率48.6%・複勝率60.5%

 ■藤岡康太(3枠3番トーセンカンビーナ)
 ※芝2500m以上
 【6・8・7・51】勝率8.3%・連対率19.4%・複勝率29.2%
 ※2020年全成績
 【17・20・20・160】勝率7.8%・連対率17.1%・複勝率26.3%

 ■松若風馬(3枠4番ダンビュライト)
 ※芝2500m以上
 【3・7・6・37】勝率5.6%・連対率18.9%・複勝率30.2%
 ※2020年全成績
 【13・16・11・203】勝率5.3%・連対率11.9%・複勝率16.5%

 ■横山典弘(4枠5番ミッキースワロー)
 ※芝2500m以上
 【6・3・8・38】勝率10.9%・連対率16.4%・複勝率30.9%
 ※2020年全成績
 【18・14・14・95】勝率12.8%・連対率22.7%・複勝率32.6%

 ■北村友一(4枠6番スティッフェリオ)
 ※芝2500m以上
 【1・4・9・36】勝率2.0%・連対率10%・複勝率28%
 ※2020年全成績
 【8・16・22・104】勝率5.3%・連対率16.0%・複勝率30.7%

 ■浜中俊(5枠7番ユーキャンスマイル)
 ※芝2500m以上
 【3・1・2・28】勝率8.8%・連対率11.8%・複勝率17.6%
 ※2020年全成績
 【9・4・9・92】勝率7.9%・連対率11.4%・複勝率19.3%

 ■武豊(5枠8番キセキ)
 ※芝2500m以上
 【8・5・4・31】勝率16.7%・連対率27.1%・複勝率35.4%
 ※2020年全成績
 【46・31・22・143】勝率19.0%・連対率31.8%・複勝率40.9%

 ■木幡巧也(6枠9番ミライヘノツバサ)
 ※芝2500m以上
 【4・3・3・25】勝率11.4%・連対率20.0%・複勝率28.6%
 ※2020年全成績
 【9・15・11・197】勝率3.9%・連対率10.3%・複勝率15.1%

 ■岩田望来(6枠10番メロディーレーン)
 ※芝2500m以上
 【1・0・0・6】勝率14.3%・連対率14.3%・複勝率14.3%
 ※2020年全成績
 【25・27・22・200】勝率9.1%・連対率19.0%・複勝率27.0%

 ■幸英明(7枠11番メイショウテンゲン)
 ※芝2500m以上
 【2・2・1・30】勝率5.7%・連対率11.4%・複勝率14.3%
 ※2020年全成績
 【21・31・20・210】勝率7.4%・連対率18.4%・複勝率25.5%

 ■ミルコ・デムーロ(7枠12番シルヴァンシャー)
 ※芝2500m以上
 【4・6・3・31】勝率9.1%・連対率22.7%・複勝率29.5%
 ※2020年全成績
 【29・17・25・127】勝率14.6%・連対率23.2%・複勝率35.9%

 ■和田竜二(8枠13番ハッピーグリン)
 ※芝2500m以上
 【3・1・3・30】勝率10%・連対率13.3%・複勝率23.3%
 ※2020年全成績
 【22・34・19・196】勝率8.1%・連対率20.7%・複勝率27.7%

 ■クリストフ・ルメール(8枠14番フィエールマン)
 ※芝2500m以上
 【24・11・12・32】勝率30.3%・連対率44.3%・複勝率59.5%
 ※2020年全成績
 【60・31・28・94】勝率28.2%・連対率42.7%・複勝率55.9%

 以上から、長距離戦での成績が通常よりも高い騎手、横ばいの騎手、低い騎手に分類すると以下の通り。その面々を見てみると、かなり意外な傾向と感じるのではなかろうか。

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