JRA NHKマイルC(G1)“無敗対決”を制し「本物」を証明したエルコンドルパサー。歴史的名馬は「武豊騎手」とコンビ結成のオファーも
桜花賞馬デアリングタクト、皐月賞馬コントレイルを筆頭に無敗馬の活躍が目立つことから、一部のファンやメディアの間で「無敗世代」と称され始めている今年の3歳世代。
10日に東京競馬場で行われるNHKマイルC(G1)もサトノインプレッサ、ルフトシュトロームという3戦3勝馬の激突に注目が集まっている。
昨年6月に同世代の新馬戦が開幕してから約1年。昨年のNHKマイルCには1頭もいなかったように、この時期に「無敗」でG1に出走することは、それだけでも大きな注目を集める。
だが、実は今から22年前の1998年のNHKマイルCは今年以上の「無敗対決」に沸いたレースだった。
当時、クラシック出走権がなかった外国産馬が目標とする「マル外ダービー」として1996年に産声を上げたNHKマイルCは、この年で3年目を迎えていた。時代は日本よりも安価で、その上、高い能力が見込まれる外国産馬全盛の時。このNHKマイルCに駒を進め1、2、3番人気を分け合った無敗馬も3頭も、すべてマル外馬だった。
3番人気のロードアックスは、前年暮れのラジオたんぱ杯3歳S(G3)をデビュー3連勝で制して以来の出走だった。今年の皐月賞を勝ったコントレイルを始め、今でこそ“ぶっつけ本番”は何ら心配のないものになりつつあるが、当時は大きなマイナスでしかなかった。
それでもロードアックスが3番人気に支持されたのは、ラジオたんぱ杯3歳Sは近年の勝ち馬に皐月賞馬ナリタタイシンやダービー馬タヤスツヨシ、天皇賞・春(G1)を勝つメジロブライトなどが名を連ねる出世レースだったからだ。そして何よりも、2着に退けたキングヘイローが皐月賞でも2着するなど、レースレベルに対する裏付けもあった。
2番人気に支持されたトキオパーフェクトは4戦4勝。芝1200mで行われた前走のクリスタルC(G3)を5馬身差で勝利するなど、圧倒的なスピードが武器だった。その上、1600mの菜の花S(OP)も3馬身差で勝利するなど、マイルに対する適性も示していた。例年なら、この馬が1番人気に支持されても、なんらおかしくはなかっただろう。
そんな中、単勝1.8倍という圧倒的な支持を集めたのがエルコンドルパサーだ。