JRA「13年ぶり」NHKマイルC(G1)大波乱をラインベックが演出!? 東京マイル戦は「好条件」以外にも、母とオーナーにも“縁”のあるコース
10日、東京競馬場でNHKマイルC(G1)が開催される。2歳女王・レシステンシア、3戦3勝の無敗馬サトノインプレッサ、ルフトシュトローム、さらに連対率100%で重賞2勝のタイセイビジョンと豪華メンバーが集結した。
上位拮抗の対決に注目が集まるが、NHKマイルCは3年連続で3連単は10万馬券を超える高配当を記録している荒れるレースだ。人気通りの決着になりにくいレースだけに、人気薄の激走に警戒が必要だろう。
その激走馬の候補として、前走の皐月賞(G1)で15着に大敗したラインベック(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)を狙いたい。
父ディープインパクト、母アパパネという両親がどちらも三冠馬という超良血馬のラインベック。皐月賞では大敗したが、レース後に岩田康誠騎手は「馬は良くなっているが、伸びなかった。これからの馬ですね」と今後の伸びしろに期待を寄せている。
6日、栗東ポリトラックコースでラインベックの最終追い切りが行われ、6ハロン82秒4、ラスト12秒1の時計をマーク。併せたジュンライトボルトに先着し、「中2週でも併せ馬ができたし、最後の伸びも良かった」と友道調教師はコメントした。また「コーナー4つだと集中力が持たない。実績のある左回りのワンターンに期待したい」と話しており、府中のマイル戦への条件替わりがプラスに働きそうだ。
実際にラインベックはデビューから2連勝を飾ったのは、左回りのマイル戦。その後、4連敗しているがすべて1800m以上の距離である。得意の条件で巻き返しは十分にあるだろう。
昨年のNHKマイルCで14番人気ながら2着に入ったケイデンスコールも、近走不振だったが左回りのマイル戦では好成績を収めていた。得意な条件で実力を発揮したパターンである。今年は皐月賞の大敗で人気を落とすと予想されるラインベックが、一波乱起こすかもしれない。
また母アパパネも東京マイル戦で偉大な功績を残している。2011年のヴィクトリアマイルで、前年の年度代表馬ブエナビスタから大金星を奪っているのだ。当時、ブエナビスタは牡馬混合のG1でも結果を残しており、牝馬戦線では敵なしと思われていた。アパパネも名牝ではあるが、さらに格上の相手からもぎ取った勝利の価値は高いだろう。
さらにラインベックを所有する金子真人オーナーは、NHKマイルC歴代最多の3勝しており、その中でも07年のピンクカメオは17番人気の低評価を覆しての戴冠だった。もし今回、ラインベックが優勝すればピンクカメオ以来の前走2桁着順馬の勝利となる。同一オーナー所有馬が「13年ぶり」の大波乱を起こすかもしれない。
ラインベック自身も左回りのマイル戦に好成績を誇っているが、母とオーナーも東京マイル戦での波乱演出を経験しているのは何かの“縁”かもしれない。
荒れるG1・NHKマイルCはラインベックを買い目に入れてみてはいかがだろうか。