JRAヴィクトリアマイル(G1)前年「レコード勝ち」ノームコアの巻き返しは厳しい!? 血統面から“謎の大スランプ濃厚”の理由とは

 17日の東京メインは、ヴィクトリアマイル(G1)が行われる。今年で15回目という歴史の浅いレースだが、リピーターが多いことで知られている。

 今年、史上3頭目の連覇を狙うのはノームコア(牝5歳、美浦・萩原清厩舎)だ。昨年のこのレースを1分30秒5の日本レコードで差し切った豪脚を再現できるかどうか注目される。

 昨年は、このレース後に骨折が判明。休養明けの富士S(G3)を強豪牡馬相手に快勝したまでは良かったが、12月の香港マイル(G1)で4着に敗れ、2ハロン距離を縮めた今年初戦の高松宮記念(G1)は重馬場も合わず15着に惨敗した。

「骨折はレコード決着の反動だったと言われています。復帰初戦の富士Sは勝ちましたが、展開に恵まれた面もありました。高松宮記念参戦は唐突感が否めず、レース選択には疑問の声もちらほら聞かれました。前走・高松宮記念組はヴィクトリアマイルで『1-0-1-13』と苦戦しています。リピーターが強いレースですが、前走15着からの巻き返しは厳しいのではないでしょうか」(競馬誌ライター)

 さらに血統面でもノームコアを不安視する声が聞こえてきた。

「(ノームコアの父)ハービンジャー産駒はダートがまるっきりダメですが、芝ではマイルから長距離まで距離に融通の利く馬が多いです。ただし牝馬はある時期に突如、走らなくなることがあります」(別の競馬誌ライター)

 ハービンジャーは初年度の2012年産から重賞馬を輩出。14年産からは3頭(ペルシアンナイト、モズカッチャン、ディアドラ)のG1馬を出した。15年産はブラストワンピースが有馬記念を制覇。同じく15年産のノームコアを含めてこれまで5頭がG1を制している。

 ただし、ハービンジャー産駒の牝馬には「5歳時にスランプに陥る」という特異な傾向があるようだ。まず牡馬の年齢別勝率を見ると、2歳から5歳まで勝率は安定していることがわかる。6歳以降は大きく数字を落としているが、これはハービンジャー産駒に限ったことではない。

【ハービンジャー産駒牡馬年齢別勝率】
 2歳 10.4%(597戦62勝)
 3歳  8.5%(1448戦123勝)
 4歳  9.3%(538戦50勝)
 5歳  9.4%(342戦32勝)
 6歳  4.0%(149戦6勝)
 7歳  2.1%(47戦1勝)
 8歳  0.0%(7戦0勝)

 一方、牝馬はというと、4歳時に勝率9.0%というピークを迎えた後、5歳時には2.5%に勝率を大きく落としている。出走データ数は少ないが、6歳以降は4%台に持ち直しているだけに、「ハービンジャー産駒の牝馬は5歳時に謎のスランプに陥る傾向にある」というわけだ。

【ハービンジャー産駒牝馬年齢別勝率】
 2歳 7.8%(410戦32勝)
 3歳 6.9%(1401戦96勝)
 4歳 9.0%(409戦37勝)
 5歳 2.5%(200戦5勝)
 6歳 4.4%(68戦3勝)
 7歳 4.8%(21戦1勝)

 ノームコアも4歳でG1初制覇を飾り、その素質を開花させた。5歳を迎えた今年は前走でいきなりの凡走。実績のある東京マイルの舞台で巻き返しを図りたいところだが、ハービンジャー産駒の牝馬に見られる”謎のスランプ”を打ち破ることはできるのだろうか。

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