JRAオークス(G1)デアリングタクト「大外一気3連勝」の真実。豪快な圧勝劇の裏で、桜花賞追い切りに垣間見せていた「女王の弱点」とは
「デビュー戦も最後の直線は、大外一気でしたから、オークスも当然“勝ちパターン”を狙ってくるでしょう。ただ、今までと違って2枠4番から外を回るには、かなり位置取りを下げる必要がありそうです。
もちろん、前に行って外に出す選択肢もありますが松山騎手、杉山調教師ともに『課題は折り合い』と話しているだけに、馬を前に置けないリスクが高まる先行策が選択される可能性は低いかと。
そうなると今の東京はそう簡単に前が止まりませんし、メンバー的にもスローペースは必至。もし桜花賞のように12番手で4コーナーを回るようなら、届かずという結果にもなりかねません。世間はすでに楽勝ムードですが、そう簡単なレースにはならないと思いますよ」(競馬記者)
馬込みが苦手な桜花賞馬といえば、やはり昨年の勝ち馬グランアレグリアが思い出される。4角先頭で桜花賞を快勝したグランアレグリアだったが、次走のNHKマイルCでは馬群に包まれて本来の力を発揮できず、最後の直線では外側に斜行して4着から5着に降着となる憂き目にも遭った。
また、大外を豪快に突き抜けた桜花賞といえば、一昨年のアーモンドアイが思い出される。しかし、アーモンドアイは2戦目のオークスで、5番手からの好位抜け出しという見事な進化を示したことで、一気に牝馬三冠に上り詰めた。
それ以来の牝馬三冠が期待されるデアリングタクトは、果たして「進化」を示すことができるのかだろうか。すでに断然の1強ムードだが、実は周囲が思っているほど楽観はできないのかもしれない。