JRAディープインパクト産駒まさかのオークス「大惨敗」の悲劇……。日本ダービー(G1)でもコントレイル、サトノフラッグは苦戦必至か!?
ディープインパクト産駒にとって「庭」とも言えるぐらいに好走している東京芝2400mでは異例の結果となった。
24日、東京競馬場で行われたオークス(G1)はデアリングタクトが1番人気に応えて優勝。2着が7番人気ウインマリリン、3着が13番人気ウインマイティーという荒れ模様の結果となった。
デアリングタクトの勝利により新種牡馬エピファネイア産駒のG1勝利は、桜花賞(G1)に続く2勝目。同じく新種牡馬のライバル・キズナ産駒は重賞勝ちこそあるがG1未勝利のため、リードを広げることになった。
その一方、過去10年のオークスで最多の4勝を挙げるディープインパクト産駒は全く馬券に絡むことが出来なかった。さらにディープインパクトの孫にあたるキズナ産駒も同様の苦しい結果だ。
ディープインパクト産駒は8頭出走し、デゼルが2番人気、ミヤマザクラが4番人気と上位人気に支持されるも、最高着順はリアアメリアの4着。3頭出走したキズナ産駒に至っては、マルターズディオサの10着が最高という悲惨な結果に終わった。
父系にディープインパクトを持つ馬がオークスという大舞台で18頭中11頭を占めたことは評価に値する。だが、実際にオークスだけでなく、日本ダービー(G1)でも5勝を挙げており、東京芝2400mでこの結果は物足りないのが正直なところだ。
「オークスで2着のウインマリリンはスクリーンヒーロー産駒、3着のウインマイティーはゴールドシップ産駒でした。切れ味があるディープインパクト産駒とは、傾向が異なる2頭の産駒が上位に入りました。
オークスはディープインパクト産駒が走らなかったというよりも、先述の2頭がレースをうまく立ち回ったという見方をするべきですね。どちらもインをうまく立ち回り、好位から粘り込みを図っています。それに対して、ディープインパクト産駒の中で上位に入ったリアアメリア、マジックキャッスルは後方から外を回しての追い込みでした。
能力で勝ちきったデアリングタクトを度外視すれば、位置取りの差が結果として出ており、前が止まらない高速馬場を象徴する内容でしたね」(競馬記者)
今週の日本ダービーでは上位人気が予想されるコントレイル、サトノフラッグがディープインパクト産駒に該当する。皐月賞(G1)のコントレイル、弥生賞(G2)のサトノフラッグはどちらも大外一気の競馬で勝利しているため、ダービーでも同じ競馬をするとなると危険な香りがするだろう。
実際に、今年の青葉賞(G2)は1番人気に支持されたディープインパクト産駒のフィリオアレグロが追い込みの競馬でクビ差届かず、ダービーの優先出走権を逃している。この結果からも、現在の東京開催はディープインパクト産駒というだけでは、勝ちきるのが難しいこととわかるはずだ。
さらにオークスの結果を踏まえると、ダービーも前残りとなる可能性が高いだろう。1番人気が予想されるコントレイルは前走で行き脚がつかなかったという経緯があるだけに、ダービーの立ち回りはかなり重要になりそうだ。打倒コントレイルを目論む各ジョッキーのマークが厳しくなることも予想されるため、まさに福永祐一騎手の手腕の見せ所ではないだろうか。
今週末の競馬の祭典はジョッキー同士の駆け引きも見逃せないレースとなりそうだ。