距離不安に早熟説、さらに外枠とエアスピネルが「キャリア最大の逆風」でも諦めない武豊騎手!「野心を持って臨む」競馬界のカリスマは奇跡を起こせるか
距離不安に、早熟説、さらには不利な外枠……仮に、それらすべてを跳ね返して本来の走りをできたとしても、春のクラシックで文字通りの「完敗」を喫した馬が、サトノダイヤモンドやディーマジェスティに勝てるのか。
人気はすでに、他の伏兵陣と同列の立場にいるエアスピネル。いや、まだ金曜夜の段階なので、最終的には日本ダービー時の7番人気さえ下回ってしまうかもしれない。
しかし、こんな状況でも何一つ諦めていない男がいる。競馬界のカリスマ武豊騎手だ。
武豊騎手は自信の日記を『野心を持って臨みます』というタイトルで更新。騎乗馬のエアスピネルに関して「普通のレベルの年だったら一冠ぐらいは取れていたかもしれない。そう思えるぐらいの高いポテンシャルの持ち主」と評し、「3000mという距離が”利”となるかどうかは乗り方次第でしょう。野心を持って臨みます」と熱く語っている。
「昔から長距離は騎手で買え」という格言があるが、これを地で証明しているのが、ともに歴代最多の菊花賞4勝、天皇賞・春7勝を誇る武豊騎手。今年の天皇賞・春もキタサンブラックで制したばかりか、大レースで勝負強いだけでなく、長距離レース全体で他の追随を許さない圧倒的な良績を収めている。
確かに菊花賞への試金石となった前走の神戸新聞杯の5着は、この馬からすれば本当に落胆せざるを得ない結果だった。
それまで、例え敗れようとも世代トップクラスの馬たちにしか先着を許さなかったエアスピネルが、勝ったサトノダイヤモンドから0.7秒も突き放され、ミッキーロケットや同厩のレッドエルディスト、カフジプリンスにさえ後塵を拝したのだ。
だが、あの時のエアスピネルは大外から後方一気という”らしくない”競馬。それに1週前の追い切りでレッドエルディストに先着を許していたように、決して動きは本物ではなかった。