JRA安田記念(G1)グランアレグリア「凄い動き」披露も苦戦必至!? 藤沢厩舎「2連覇」は過去の話。ここ20年は「泥沼」状態……
近年まれに見る豪華メンバーがそろった春のマイル王決定戦、安田記念(G1)。牝馬は、2008~09年にウオッカが連覇を果たしたが、それ以降、「0-2-1-11」とやや苦戦している。しかし今年はアーモンドアイを筆頭に3頭のG1牝馬が出走を予定している。
昨年の桜花賞馬、グランアレグリア(牝4歳、美浦・藤沢和雄厩舎)は前走の高松宮記念(G1)で初のスプリント戦に挑み、モズスーパーフレアにハナ差の2着(3位入線)と、あと一歩に詰め寄った。1位入線(4着降格)のクリノガウディーも含めた上位入線馬はそろって逃げ・先行という前有利の展開の中、唯一後方から末脚を伸ばし、力を見せた。
その後、予定していたヴィクトリアマイル(G1)を回避し、十分な間隔を取って安田記念で自身2つ目のG1タイトルを狙う。先月27日の1週前追い切りでは、美浦の南Wで5ハロン66秒7-ラスト12秒5をマーク。手綱を取った杉原誠人騎手は『スポニチ』の取材に「いつも凄い動きですけど、今回も凄いです」とグランアレグリアの動きを絶賛した。
「僚馬を10馬身ほど追走し、馬なりのまま併入に持ち込みました。高松宮記念の1週前が8分の出来だったとすれば、今回は9分以上の動きを見せたと言っていいでしょう。過去2走は中団からの競馬でしたが、マイルが舞台なら本来の先行策で行きたいところ。確かにアーモンドアイは強いですが、向こうはヴィクトリアマイルから初めて中2週での競馬です。(アーモンドアイに)2~3馬身のリードを保って直線を向けば、抜かせない粘り強さを見せてくれると思いますよ」(競馬誌ライター)
管理するのは安田記念では過去2勝している名門・藤沢和雄厩舎。1988年に初めて挑戦した重賞レースが安田記念で、その時は地方出身のガルダンで挑み8番人気で6着。だが、その後1997~98年にタイキブリザードとタイキシャトルで連覇を達成した。1990年代はその2勝を含め、安田記念で「2-1-2-0」。5戦すべてで馬券圏内という離れ業を演じた。
しかし、2000年以降はのべ17頭を安田記念に送り込んでいるが、すべて4着以下と振るわない。特に牝馬では人気を背負った2頭が結果を出せなかった。
【藤沢厩舎牝馬の安田記念結果、2000年以降】
2000年 スティンガー(1番人気、4着)
2001年 スティンガー(2番人気、15着)
2005年 ダンスインザムード(3番人気、18着)
2006年 ダンスインザムード(4番人気、5着)
藤沢厩舎が安田記念に牝馬を出走させるのはダンスインザムードの5着以来、14年ぶり。2年後に定年を迎える名伯楽がグランアレグリアでタイキシャトル以来、「22年ぶり」の安田記念制覇に挑む。