JRA鳴尾記念(G3)距離延長で必勝期すラヴズオンリーユーもう負けられない! 安田記念の資金稼ぎにもってこい!?
5月の京都開催が終了し、阪神に替わる6月は土曜の鳴尾記念(G3)が最初の重賞となる。昨年のエリザベス女王杯(G1)3着以来、約半年ぶりの復帰となった前走のヴィクトリアマイル(G1)を7着に敗れたラヴズオンリーユー(牝4、栗東・矢作芳人厩舎)が必勝を期しての参戦だ。
前走後はエプソムC(G3)・1800mの予定が発表されたものの、さらに距離が1F伸びる鳴尾記念・2000mに矛先を変えて来た。白菊賞(1勝クラス)以来となったマイル戦のヴィクトリアマイルで結果が出なかったことも、次走の選択に大きく影響したのかもしれない。
前走はラヴズオンリーユーにとってもちぐはぐな競馬となった印象が強い。鞍上のM.デムーロ騎手は前の週に行われたNHKマイルC(G1)を9番人気ラウダシオンで積極的な先行策から制した。
それだけに1枠1番から好スタートを決めたラヴズオンリーユーも先行すると見られていたが中団待機を選択。直線で追い出したものの、スムーズな競馬ができずに脚を余す格好となった。
レース後、デムーロ騎手は「直線ではスペースもありませんでした」とコメントしたように不完全燃焼だったのは間違いないだろう。道中では行きたがる素振りも見せていたラヴズオンリーユーを「あえて」下げたことにはどういう意図があったのだろうか。
これについて元JRA騎手の安藤勝己氏は自身の公式Twitterにて「ラヴズオンリーユーは道中で、次に繋がる競馬に切り替えた印象やね」と見解を述べている。
「体質の弱さもあって使い詰めの利かないタイプの馬だけに、無理をしなかった可能性がありますね。これまで大舞台で結果を残して来たデムーロ騎手ですから、乗ったときの感触で完調にはまだ遠いと感じたのかもしれません。
矢作調教師も体調は万全ではないとコメントしていたように、休み明けを一度使ってからの次走で良化に期待したと思われます。また、中3週となるエプソムC(G3)ではなく、中2週での鳴尾記念に出すということは、今回は自信があると見た方がいいでしょう」(競馬記者)
確かにヴィクトリアマイルのレース前に「やはり硬さが気になる」と慎重なコメントを残し、レース後には「ドバイで一度仕上げたものを緩めて、調整の難しさはあった」と正直に答えてくれたのも矢作調教師の誠実な人柄だろう。
となれば、今回の鳴尾記念は信用していいかもしれない。
1番人気が予想されるラヴズオンリーユーだが、“堅い”軸馬として信頼できそうだ。日曜の安田記念の資金稼ぎに一考してみるのもありだろう。