JRA安田記念(G1)ダノンプレミアム昨年“タックル被害”のリベンジへ! 海外遠征、D.レーン効果で「リスグラシュー化」なるか
7日に開催される安田記念(G1)にG1馬10頭(登録は11頭)という超豪華メンバーが出走を予定している。史上最多の芝8冠を目指すアーモンドアイに注目は集まるが、同世代ダノンプレミアム(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)も2歳時に朝日杯FS(G1)を制したG1馬だ。
ダノンプレミアムの通算成績は海外で走った前走も含めて「6-2-1-2」。馬券圏外に沈んだのは2年前の日本ダービー(G1)と昨年の安田記念の2回だけだ。このうちダービーは、優勝したワグネリアンとは僅か0秒2差。皐月賞(G1)前に挫石のアクシデントに見舞われ、2400mという距離も長かったことが響いた。
一方で昨年の安田記念では16頭立ての最下位に終わった。ただし、これはスタート直後に隣枠のロジクライが斜行するという大きな不利があってのこと。見ようによっては“体当たり”とも捉えられるほどの斜行であった。大事には至らなかったが、レース後には鞍上の川田将雅騎手も下馬するほどだった。まさかのスタート直後に“レースを終える”とも言えそうな不完全燃焼の一戦で度外視していいだろう。それを証明するかのように、昨秋は休み明けの天皇賞・秋(G1)、そしてマイルCS(G1)で連続2着と安定した走りを見せた。
「昨年の安田記念ではスタートも甘く、盛り返そうとしたところでロジクライの斜行の被害に遇いました。同じく不利を受けたアーモンドアイは3着まで追い上げましたが、ダノンプレミアムは川田騎手が直線で追う手を緩めたこともあり、最下位に沈みました。ただ無理をさせなかったことが秋の好走につながった可能性もあります。今思えば、川田騎手の隠れたファインプレーだったのかもしれません」(競馬誌ライター)
マイルCS後は放牧に出され、陣営は今年初戦に豪州遠征を選択した。桜花賞の前日、土曜日に行われたクイーンエリザベスS(G1)に挑戦したダノンプレミアムは1番人気に支持されたが、英国のアデイブ、そして地元豪州のベリーエレガントに先着を許し3着に終わった。
「初めての海外遠征、テン乗りのJ.マクドナルド騎手、そして何より重い馬場が堪えました。アデイブは道悪巧者ですからね。良馬場ならもう少しやれたはずです。実際に鞍上もそう話していましたし」(同)
初の海外遠征は期待を裏切る形となったが、収穫もあったはず。昨年のJRA年度代表馬に輝いたリスグラシューは4歳秋と5歳春に香港遠征を経験。5歳秋には豪州に遠征し、有馬記念(G1)での圧勝劇につなげている。
リスグラシューにとって海外遠征の経験も大きかったですが、何よりD.レーン騎手との出会いが大きかったはずだ。リスグラシューとレーン騎手が初めてコンビを組んだのは昨年の宝塚記念(G1)。そこからコックスプレート(G1)を挟み、有馬記念までレーン騎手とのコンビで3戦3勝の成績を残し、その実力を世界に知らしめた。
ダノンプレミアムも5歳を迎え、「海外遠征」という貴重な経験、そして「レーン騎手」への乗り替わりが起爆剤となる可能性は十分考えられる。リスグラシューが5歳春から描いたような成長曲線を描き、ダノンプレミアムは1年前のリベンジを果たそうとしている。