JRA武豊「低迷期」の原因もこれ!? 函館開催で岩田康誠が復帰も、ベテラン騎手の「惨状」が物語る厳しさ……
3日、落馬負傷で休養中の岩田康誠騎手が13日の函館開催から復帰することが明らかになった。
4月26日の京都1Rでダイヴィンダートに騎乗した際、最後の直線で同馬が転倒して落馬。この影響を受けた4頭が落馬する大事故となった。岩田康騎手は右腕骨折、肋骨を計13本も折る大けがを負った。他の巻き込まれた騎手は、松山弘平騎手が大事を取って翌週の騎乗をキャンセルしたのみだったのは、不幸中の幸いである。
先月29日に落馬負傷後、初めて栗東トレセンを訪れた岩田康騎手は「馬が守ってくれたのだと思う。一日でも早い復帰を目指して体を動かしています」と予後不良になったダイヴィンダートに感謝しつつ、復帰に向けて意気込みを見せていた。
今年、ケガから復帰した騎手と言えば、浜中俊騎手が復帰週にいきなり重賞を勝利。三浦皇成騎手は約2か月間の騎乗がなかったものの、すでに関東リーディング3位につける好調ぶりだ。また、息子の岩田望来騎手は第1回新潟リーディングを獲得し、全国リーディングでも6位につける大活躍をしている。この流れに乗って、復帰後の岩田康誠騎手にも大暴れして欲しいところだ。
しかし、最近復帰したベテラン騎手が揃って成績が芳しくないことが懸念される。
4月25日に約4か月ぶりの復帰を果たした蛯名正義騎手。復帰後は36鞍に騎乗しているが、わずか2勝にとどまっている。さらに勝ち鞍はどちらも千直のレースで、スピードのある上位人気馬での勝利。決して騎乗が光る内容とは言い難いもので、状態はいいとは言えなさそうだ。
また、戸崎圭太騎手も5月23日に約半年ぶりの復帰を果たしたが、2週連続で未勝利に終わっている。乗鞍が合計11鞍と少ないことも原因にあるかもしれないが、かつて3年連続リーディングジョッキーに輝いた名手の成績としては物足りない内容だ。
「やはりベテラン騎手になると、長期離脱後は肉体的に思うような騎乗ができないということが原因にあるのではないでしょうか。特に戸崎騎手は騎乗において重要な肘をケガだったことが、完調に至っていない理由かもしれません。年齢的にもトップコンディションに持っていくのに時間がかかるのかもしれません。
また、今回の岩田康騎手がスピード復帰ということも気になりますね。ケガの内容を考えると、2か月半での復帰はかなり早いように感じます。
かつて武豊騎手はケガが完治していない状態で復帰して、思い通りの結果を残せませんでした。その後、長きに渡って『低迷期』とまで言われたぐらいです。岩田康騎手も無理をしていなければいいのですが……」(競馬記者)
今年は重賞2勝を挙げ、戦線離脱前にはリーディング上位にも名を連ねていた岩田康騎手。復帰後の活躍に期待したいところだが、1番は無理をしないで万全の状態での復帰して欲しいものだ。