JRAモーリスは未勝利、新種牡馬「初勝利」はドゥラメンテ! “因縁”の阪神から夢の続きロンシャンへ!
5月31日に行われた日本ダービー(G1)はコントレイルが優勝し、無敗の2冠馬に輝いた。3歳世代の頂点を決めるダービーが終われば、翌週からは2021年のダービーへ向けた戦いがスタートする。
6日から東京競馬場と阪神競馬場でいよいよ2歳戦が始まった。土日で計5レースの新馬戦が行われ、さっそくドラマが生まれた。
最初に行われた土曜阪神の新馬戦は武豊騎手のダディーズビビッドが優勝。同馬はキズナ産駒ということで、名コンビによる勝利で2歳戦は幕を開けた。続く東京の新馬戦では父モーリス、母ブエナビスタの超良血馬ブエナベントゥーラがデビュー。単勝1.5倍の断然人気に推されるも、2着に敗れるという波乱が起きた。
今年が初年度産駒デビューとなるモーリスだが、先週末は計7頭が出走するも未勝利に終わり、待望の初勝利は次週に持ち越しとなった。
その一方で、もう1頭の注目の新種牡馬ドゥラメンテはさっそく産駒が初勝利を挙げる上々なスタート。早くも1歩リードと言ったところだろうか。
日曜阪神5R芝1400mの新馬戦に出走したドゥラメンテ産駒のアスコルターレ。好スタートを切ると1枠1番を活かしてハナに立ち、余力十分で最後の直線へ入る。結局、一度もムチを入れることなく、スピードで押し切っての勝利となった。
松山弘平騎手は「スピードがあって、最後も着差以上に強かった。まだ子供っぽいところもあるので、成長すれば楽しみです」と今後の活躍に期待している。
今年の新種牡馬では白星一番乗りとなったドゥラメンテだが、産駒の初勝利が自身のラストランとなってしまった阪神競馬場というのは何かの“縁”かもしれない。
16年の宝塚記念(G1)に出走したドゥラメンテは、落鉄したまま出走し2着に敗れたドバイシーマクラシック(G1)以来3か月ぶりの実戦だった。それにもかかわらず単勝1.9倍の支持を集めたのは、最強馬の復活を待ち望むファンの期待の表われだろう。だが、レース結果は稍重の馬場が堪え、マリアライトのクビ差2着。海外に続き、国内でも敗戦を喫し、まさかの連敗となってしまった。
さらに悲劇が襲い、レース直後に歩様の乱れからM.デムーロ騎手が下馬。左前肢ハ行と診断され、後日には競走能力喪失の診断が下され引退を余儀なくされてしまった。
今となってはG1・7勝の名馬キタサンブラックだが、ドゥラメンテには一度も先着することができなかった。このことからもわかるように、当時最強馬の名をほしいままにしたドゥラメンテ。同年には凱旋門賞(G1)に挑戦する予定だったが、思いもよらぬ幕切れとなってしまったのだ。
それから4年の時が経ち、ドゥラメンテの産駒が阪神競馬場で競走生活のスタートを白星で飾った。志半ばで現役を退いた父の分まで存分に走り切ってほしいところだ。
そして、ドゥラメンテがセカンドライフである種牡馬として再び競馬界のトップに君臨し、産駒から凱旋門賞挑戦馬が出る日を楽しみにしたい。