JRA「凡走?力負け?」アーモンドアイ「現役最強」の看板に翳り!? 安田記念(G1)敗戦で評価急落も
前走のヴィクトリアマイル(G1)を圧勝し、シンボリルドルフ、ディープインパクトらに並ぶ「7冠」をあげた最強女王アーモンドアイ。だが、これを破ったのは昨年の桜花賞馬グランアレグリアで1歳下の牝馬だ。同馬が3番人気だったとはいえ、単勝オッズ12.0倍に過ぎなかったことからも、誰もがアーモンドアイの「8冠」を疑わなかったといえるかもしれない。
アーモンドアイのここまでの成績は【9.2.1.1】とほぼ完璧である。過去、敗れたレースにしてもスタートして致命的な不利を受けた昨年の安田記念、香港カップ(G1)を熱発により回避から一転して出走した有馬記念など、ある程度の説明がつく敗戦だったことが揺るぎない評価に繋がっていた。
これに対し、今年の安田記念については同馬の代名詞ともいえる上がり3F最速もグランアレグリアに奪われ、2馬身1/2という決定的な着差をつけられる完敗を喫してしまった。
スタートで遅れた影響も少なからず考えられるが、C.ルメール騎手が「出遅れましたが、上手くリカバリーできた」とコメントしているように、こちらについては懐疑的だ。
また、この日の東京競馬場の芝は土曜夜に大量の降雨があったため、稍重での開催。内を通ったダノンプレミアムやダノンキングリーがノメったことを敗因に挙げたように、けして良好な状態ではなかった。
問題は「勝ち馬を見ながらスムーズに直線に向くことが出来ました」とルメール騎手が振り返ったように、直線でいつもの爆発力を欠いたことにあるだろう。だが、勝つ前提で考えてしまうことに落とし穴はなかっただろうか。
前年の覇者インディチャンプにはしっかりと先着してリベンジは果たした。グランアレグリアの存在で敗戦がクローズアップされているが、同馬の出走がなければ8冠を達成していた可能性が非常に高かった。
ルメール騎手は「コンディションは良かった」とし、アーモンドアイを管理する国枝調教師も「表向きは何ともないが、中2週も影響したのかもしれない」と体調に問題はなかったと考えていたことからも、受け入れ難い現実に対する苦しい見解ではなかったか。
展開の紛れとするにはあまりにも残酷な「2馬身1/2」という現実は重い。
「昨年の有馬記念9着惨敗の不安をヴィクトリアマイルの圧勝で払拭した状況での安田記念でしたから勝って当然という雰囲気も仕方がなかったでしょう。ですが、昨年の3着と違って今年は大きな不利のなかった上で完敗だったことも事実です。
それだけに同じ牝馬で年下のグランアレグリアに敗れたことで現役最強の看板が色あせてしまったことは残念ですが、復帰戦として濃厚と見られている天皇賞・秋(G1)での巻き返しに期待したいです」(競馬記者)
懸念材料があるとすれば、安田記念ではこれまで戦ってきた相手には先着しながら、初対決となったグランアレグリアの存在が誤算だったことだろうか。
天皇賞・秋でも初対決となる年下G1馬には注意が必要かもしれない。