【徹底考察】天皇賞・秋(G1) リアルスティール「毎日王冠を使えなかったことは『プラス』か『マイナス』か?答えは『最終追い切り』の中にある」
また、キングマンボは一度も日本に導入されたことがないにも関わらず、東京で極めて優秀な実績を残している。キングカメハメハや孫のエイシンフラッシュが日本ダービーを勝ち、ジャパンCでもエルコンドルパサーやアルカセットが勝利。そういった点でも今回の舞台設定は、本馬の後押しとなるはずだ。
≪結論≫
26日の共同会見で矢作芳人調教師が毎日王冠について「見送ってよかった」と述べている通り、リアルスティールの状態は急仕上げ気味だった毎日王冠時より明らかに上昇しているようだ。
そして、問題の最終追い切りに関しても、下記のようにきっちりと軌道修正。無論、これで100%大丈夫というわけではないが、少なくとも大きな不安要素を一つ解決できたことは確かだろう。
2015年10月、菊花賞(G1) 栗東坂路4ハロン53.6‐12.6(福永)
2016年2月、中山記念(G2) 栗東坂路4ハロン54.1‐11.9(福永)
2016年6月、安田記念(G1) 栗東坂路4ハロン50.8‐12.0(福永)
2016年10月、毎日王冠(G2)栗東坂路4ハロン51.5‐12.2(助手)
2016年10月、天皇賞・秋(G1)栗東坂路4ハロン53.8‐12.5(助手)
上記は、昨年の菊花賞からの国内レースにおける本馬の最終追い切りの時計を再度掲載したものだが、明らかに折り合いに心配がなかった菊花賞や中山記念に近い全体と時計。おそらく、これなら安心だろう。
ただ、問題は仮にリアルスティールが100%の力を発揮できたとして、それで天皇賞・秋を勝ち切れるのかということだ。
実際に天皇賞・秋の上位人気が予想される有力馬の中で本馬が対戦した経験があるのは、今春の安田記念のモーリス。そして、中山記念で激突したアンビシャスだけ。その内、モーリスとの安田記念に関しては、リアルスティール自身が大きく折り合いを欠き、本来の走りではなかったため参考外だろう。
そうなると残った中山記念に関しては、アンビシャスが2着でリアルスティールが3着。斤量は両馬とも55㎏で、着差はわずか半馬身差だった。