JRAデアリングタクト、レシステンシアの「評価」にも影響!? 桜花賞3着馬が得意の阪神マイル参戦で、「3歳vs古馬」のバロメーターに
6月に入り2歳戦がスタートし、来年のダービーへ向けた戦いが幕を開けた。その一方で、これまで同世代としか対戦経験がなかった3歳馬は古馬との対決が始まった。
馬券購入にあたっても、古馬と初対戦となる3歳馬の取捨は重要な要素になってくるはずだ。そこで、この2週間に行われた古馬と3歳馬が対決したレース結果を確認してみた。
これまでに48レース行われたうち3歳馬が23勝、古馬が25勝とほぼ互角の状況。3歳馬は芝がやや苦戦気味で、勝利はほぼ1勝クラスという傾向があり、2勝クラスは先週14日の芦ノ湖特別を勝ったサトノフウジンしかいない。
まだサンプル数が少ないため、この結果から世代レベルを推し量るのは早計だろう。だが、今週末にいい指標となりそうなレースが行われる。
それが21日に阪神競馬場で行われる米子S(L)だ。今年からサマーマイルシリーズ第1戦となった同レースに、桜花賞(G1)で3着のスマイルカナ(牝3歳、美浦・高橋祥泰厩舎)が出走する。
今年のフェアリーS(G3)の勝ち馬で、G1でも好走実績のあるスマイルカナ。前走のオークス(G1)は16着に大敗したが、適性距離から大きく逸脱した2400m戦のため度外視して問題ないだろう。トップクラスの3歳牝馬と言えるはずだ。
「阪神1600mで行われる米子Sは、桜花賞と同じ舞台です。そのため、スマイルカナは能力を最大限に引き出せると考えられます。桜花賞で負けた相手は無敗の2冠牝馬デアリングタクトとNHKマイルC(G1)でも2着のレシステンシアだけです。
もし、ここでスマイルカナが不甲斐ないレースをするようであれば、3歳世代全体のレベルが疑われることになってしまいそうですね」(競馬記者)
6日に行われた鳴尾記念(G3)にも3歳馬のキメラヴェリテが出走して15着に大敗している。だが、これまでの芝で主な実績は逃げ粘って2着の若葉S(L)ぐらい。同レースを勝ったアドマイヤビルゴが次走の京都新聞杯(G2)で4着に敗れており、キメラヴェリテも皐月賞(G1)で17着だったことを考えると、世代の指標としては参考にならないだろう。
そのため、米子Sで3歳馬のトップレベルが古馬との初対戦を迎えることになる。このレースは多くのファンが注目することになるだろう。
スマイルカナを管理する高橋祥調教師は『スポニチ』の取材に、「桜花賞、オークスと使った後だけど馬の状態は悪くない」と答えており、状態面の不安はなさそうだ。
デアリングタクト、レシステンシアらの評価にも影響を及ぼしそうな米子S。スマイルカナには得意の阪神マイルコースで3歳世代を代表する走りを見せてほしいものだ。